アスリートのセカンドキャリア、迷わないくらいの〇〇を手に入れる
[文:スポーツメンタルコーチ鈴木颯人のメンタルコラム(https://re-departure.com/index.aspx)]
セカンドキャリアについて、メディアとかそれ以外の教育機関でも、「今の段階からセカンドキャリアを考えましょうね」と伝える方が増えたなと思います。また現役のアスリートも、次の人生をどう歩んでいったらいいかすごく悩んでおり、悩むからこそ現役のうちからどんな準備をしていったらいいのか?と私に相談されるケースが増えました。そこで今回はセカンドキャリアについてお話ししたいと思います。
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私はセカンドキャリアは考える必要はないと思っています。科学的にも偶発性理論というものがあります。キャリアは自分次第でどうにでもなります。ただ、未来になってみないとわからないんです。だから、あまり無責任な言い方はしたくないんですが、それでもどうにかなると思っています。だからこそ、まずは目の前の時間をもっと大切にしてほしいのがスポーツメンタルコーチとしての本望です。
その上で、私が一番伝えたいのが、「夢の代謝」です。アスリートとしての時間は今しかありません。しかし、全力を出せずに惰性で日々を過ごすと「夢の生煮え」がおきます。例えると、いい大人になってから居酒屋で「昔はプロにいったあいつより俺の方が凄かったのにな」と愚痴をこぼすことが待っています。
だからこそ、追いかけている夢をしっかりと代謝する必要があるのです。夢を消化しないと次にいけないのです。そこで、重要になる考え方が偶発性理論です。偶発性理論とはどういったものか説明します。計画的偶発性理論は、次の3つを骨子として成り立っています。
<計画的偶発性理論の骨子>
・予期せぬ出来事がキャリアを左右する
・偶然の出来事が起きたとき、行動や努力で新たなキャリアにつながる
・何か起きるのを待つのではなく、意図的に行動することでチャンスが増える
計画的偶発性理論では、成功するキャリアを築くために、偶発の出来事が起こるのを待つのではなく、みずから引き起こすべく行動することがポイントとなります。 具体的には、以下の5つの行動特性を持つ人にチャンスが訪れやすいと考えられています。
<計画的偶発性を起こす行動特性>
・好奇心(Curiosity):新しいことに興味を持ち続ける
・持続性(Persistence):失敗してもあきらめずに努力する
・楽観性(Optimism):何事もポジティブに考える
・柔軟性(Flexibility):こだわりすぎずに柔軟な姿勢をとる
・冒険心(Risk Taking):結果がわからなくても挑戦する
どうにかなった私の人生
僭越ながら、私の人生をどう過ごし方少しだけお伝えします。まさに波瀾万丈の人生で、プロ野球選手を目指したり、パイロットを目指したりしました。夢を本気で追いかけながらも、夢が叶わない現実と向き合いながら、学習塾のスクールマネージャーという正社員の仕事をしていた矢先に職場が嫌になって鬱病になりました。当時24歳です。
周りの友達や同年代は結婚し、安定した会社に勤めていました。その現実を向き合いながら、他人と比較して辛い気持ちにしかなりませんでした。どの夢も中途半端だった私が唯一のめり込んだのがメンタルコーチングの世界でした。もともと、人を助ける仕事にずっと興味を持っており、東北の震災にもボランティアで足を運ぶくらいの行動をしていました。
だから、人のキャリアや夢を支える仕事に興味があったのです。そこからコーチングだけでなく、キャリアカウンセリングやメンタルトレーニング、スポーツ心理学を勉強し、当時誰もいなかった「スポーツメンタルコーチ」という仕事を立ち上げました。
当時は誰一人いなかったので不安でしかありませんでした。しかし、自分が信じた道を走り続けた結果、今があります。当然、自分だけの力だけではなく、多くの方の支えがあったのは言うまでもありません。どうにかなる人生を歩む上で、人とのご縁は最大級に大事になってきます。