【スポーツメンタル】完璧主義なアスリートの抱える弱点とは?メンタル面を強みに
完璧主義なアスリートは集団に馴染みにくい?
完璧主義は、競技などの競争の求められる環境では成果を発揮することがあります。 ただし、組織や社会に適応することは苦手で、適応から離れていってしまうことも少なくありません。
特に、完璧主義な若年アスリートのメンタル面での社会的な育成について気になったことのある方もいるのではないでしょうか。 今回がスペインのグラナダ大学による研究「Be Prosocial My Friend: The Social Disconnection Model of Perfectionism in Adolescents Immersed in Competitive Sport(2022)」(※)を元に若年アスリートの完璧主義と社会性の関係について解説します。
完璧主義なアスリートの社会性
この研究ではさまざまなスポーツに取り組んでいる234人の青少年アスリート(平均16.1歳)にリッカーと尺度という手法を使ったアンケートを実施し、完璧主義な層を分けた上で利他性の検証を行いました。
この結果、完璧主義に求められるような高い競争性が社会への適応を阻害していることが示唆されました。
また、これは学業にも影響していて、成績の低下も見られたようです。 この研究では、完璧主義な若年アスリートの社会適応性について、適切な動機付け環境づくり、大人のリーダーシップによる積極的な変革が効果的であると述べられています。
まとめ
完璧主義者のメンタルには「義務感が強い」「完遂にこだわる」など、アスリートにとって理想的な特徴が多く存在します。 一方で、これらの特徴を発揮する際には時と場合を選ぶ必要性に迫られることもあり、特にチームプレイでは調和を乱すきっかけとなってしまうこともあります。
完璧主義はむやみやたらに発揮したり頭ごなしに抑制するのではなく、うまくコントロールして成果に繋げることができるように意識しましょう。
(※)参考文献:https://www.mdpi.com/1660-4601/20/4/2887
[文:スポーツメンタルコーチ鈴木颯人のメンタルコラム]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
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一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会
代表理事 鈴木颯人
1983年、イギリス生まれの東京育ち。7歳から野球を始め、高校は強豪校にスポーツ推薦で入学するも、結果を出せず挫折。大学卒業後の社会人生活では、多忙から心と体のバランスを崩し、休職を経験。
こうした生い立ちをもとに、脳と心の仕組みを学び、勝負所で力を発揮させるメソッド、スポーツメンタルコーチングを提唱。
プロアマ・有名無名を問わず、多くの競技のスポーツ選手のパフォーマンスを劇的にアップさせている。世界チャンピオン9名、全日本チャンピオン13名、ドラフト指名4名など実績多数。
アスリート以外にも、スポーツをがんばる子どもを持つ親御さんや指導者、先生を対象にした『1人で頑張る方を支えるオンラインコミュニティ・Space』を主催、運営。
『弱いメンタルに劇的に効くアスリートの言葉』『モチベーションを劇的に引き出す究極のメンタルコーチ術』など著書8冊累計10万部。