【スポーツメンタル】知らずに心理的疲労を感じる共感疲労とは?脳科学的にみる対策を紹介
[文:スポーツメンタルコーチ鈴木颯人のメンタルコラム(https://re-departure.com/index.aspx)]
皆さんは「なんだかメンタル的な疲れを感じる」や「ふとした時に自己嫌悪に陥っている」などの感覚はありませんか?それは、もしかすると共感疲労からくる疲れや燃え尽き症候群の予兆かもしれません。そこで今回は、海外論文をもとに、共感疲労の脳科学的な見方を説明し、アスリートにとって効果的な共感疲労対策を紹介していきます。
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共感疲労とは?
暗いニュースに触れ、当事者の事を思い心理的に疲弊する状況や、実際にネガティブな状況に陥っている他者をケアをしすぎることによるメンタルの落ち込みを、脳科学や認知科学の世界では「共感疲労」と呼びます。
共感疲労による心理的な疲労が蓄積されていくと、イライラしやすくなったり、自己嫌悪に陥るなどのメンタル的な問題が出てきます。さらに肥大化していくと、モチベーションが全く湧かなく、燃え尽き症候群(バーンアウト)になってしまう可能性もあります。
特に心理的外傷を負った患者を診察しなくてはならない病院などで、共感疲労は深刻ですが、スポーツを行うアスリートの方々も、過剰なプレッシャーにさらされる日々の中、インターネットに接続すれば暗いニュースが溢れている現代は、アスリートも共感疲労にさらされやすい状況です。
他人のケアが過剰に起こってしまう、または、他人の状況によってネガティブなトラウマなどの経験を呼び起こされる時、共感疲労が起こるわけですが、自分本人は、認識しないうちに心理的に疲弊しています。
脳科学的に共感疲労のメカニズムを見てみると、他者の苦痛を感じている時、脳内では前帯状皮質、および内側前頭前野と側頭極の活性化が、Mindfulness meditation regulates anterior insula activity during empathy for social painによる研究では明らかにされています。
これらは、主に社会的感情や共感、情動などの感情を扱っており、本人に特に痛みが無い状況でも他者の痛みを感じる事によって活性化します。このメカニズムによって、過剰に他者の痛みを感じ、ストレスが蓄積されると共感疲労が引き起こされます。