【多様な働き方を研究するコラム】長時間労働問題の深層
[記事提供:ツナグ働き方研究所(https://tsuna-ken.com/)]
国が推し進めている「長時間労働の是正」。反面その政策を侮るかのように、長時間労働を良しとする風潮に加え、改善が進まない実態があります。今回はツナグ働き方研究所所長 平賀が長時間労働についての考察を述べたいと思います。
■長時間労働にメス!
「長時間労働」の問題がいま、俄然注目を浴びています。
安倍首相自らが経済再興の第3の矢と位置づけた「働き方改革」。その大きな柱として「長時間労働の是正」が掲げられる中、ほぼ時を同じくして発覚した大手広告代理店での過労死事件。その背景にあったのがまさにこの長時間労働問題でした。
この事件は、日本型雇用システムの限界を鮮明に映し出してしまいました。いろいろな論点があるとは思いますが、長時間働くことが当たり前という中で育ったワーカホリックなDNA、そういう人が上司にいる労働環境が大きく影響していることに異を唱える人はいないでしょう。「自分の若いころは朝7時に来て、下手したら夜11時ぐらいまで仕事をしたもんだ。当然体が持たないので、毎朝、喫茶店に行って休憩して。夜は夜で、残業に備えて小一時間は外で食事したりして。なんだかんだ言って毎日3時間ぐらいは無駄にしてたよねえ」
こんな生産性の低い働き方を、むしろ自慢げに語る人もまだいるのです。