気がつけば今日も、夜遅くまで起きている・・・なんてありませんか?
[文:一悟術|自分を縛りつけているものから解放され、思い描いた人生を生きる道(https://www.ichigojyutsu.com/)]
はじめに
「毎日忙しくて睡眠時間があまり取れていない」そんな悩みを持っている人も多いのではないでしょうか。睡眠時間が少ないことで集中力や注意力が低下し、仕事や勉強のパフォーマンスが明らかに落ちていると実感している人は少なくないようです。
また、忙しくなるような予定がなく、早く寝ようと思っていても、ついつい夜更かししてしまう人も多いのではないでしょうか。
夜更かしをなかなかやめられないのは、意思が弱いからでも、ちゃんとした生活をおくることができていないからでも、性格的な原因があるわけでもありません。単純に夜更かしが、「習慣化しているだけ」なのです。
夜更かしがやめられない人は、頑張らなくても、無理しなくても、自動的に「夜更かし」ができてしまうくらい、それが当たり前になっているような状態です。
逆に、早寝早起きが習慣化している人は、特別な努力をしているわけではありません。夜は自然に眠くなり、朝は自然と目が覚めたから起きているのです。
では、どうしたら、習慣化してしまった「夜更かし」をやめることができるでしょうか?
今回は、夜更かしをやめるための仕組み作りと、手軽にできる簡単な取り組みについて考えていこうと思います。
1、夜更かしを繰り返すことで増える「睡眠負債」
株式会社ブレインスリープ代表である医師・西野精治氏は、「睡眠革命で、脱・睡眠負債」をキーワードに、睡眠革命を推進しているひとりです。
西野氏が掲げるキーワードにある「睡眠負債」という言葉は、一般には聞き慣れない言葉かもしれませんが、睡眠研究家にとっては当たり前の表現のようです。
「ヒトは一定の睡眠時間を必要としており、それより睡眠時間が短ければ、足りない分が蓄積する。つまり眠りの借金が生じる」
これは、世界一の睡眠研究所であるスタンフォード大学睡眠生体リズム研究所の初代所長ウィリアム・C・デメント教授が、1990年代から使い始めた「睡眠負債(Sleep Dept)」と呼ばれる概念です。一般的には「睡眠不足」という言葉も多く使われていますが、睡眠研究家は、睡眠が足りていない状態を「睡眠負債」という言葉を使って表現します。
睡眠が足りず慢性化してしまうと睡眠負債に陥り、脳にも体にも多大な影響を及ぼします。簡単には解決できない深刻なマイナス要因が、気づかないうちにたまっていく眠りの借金こそが「睡眠負債」なのです。
(「眠りの借金を返済せよ!「寝貯め」って本当に有効なの?」https://sleepedia.jp/sleep-debt/)
私たちが一般的に活用している「睡眠不足」という言葉を、「睡眠負債」という言葉で表していることに、妙な納得感があります。それは、睡眠という名の負債を抱えることで、集中力の低下や注意力の散漫という現象に対して、利息のようなことが起こっているのかと考えさせられるからです。
では、その「睡眠負債」を返済することはできないのでしょうか。
(1)「寝だめ」で睡眠負債は返せません。
夜更かしをした分は、休日にまとめて寝るから大丈夫と考えている人も多くいるかと思います。休日にまとめて寝ると、とても休めたかのように感じるかもしれませんが、睡眠負債の性質からするとそれは違うことがわかります。(詳しくは先述の引用元をご覧ください)
そのため睡眠不足と感じたら、寝だめをすればいいという発想ではなく、睡眠不足にならないように、日頃から適切な時間に寝るようにする習慣をつくることが大切です。
(2)注目すべきは、「スッキリ起きれたか、どうか」です。
睡眠負債をため込まないために、睡眠時間を気にする人もいるようですが、明確な睡眠時間に決まりはないようです。なぜなら、適切な睡眠時間は個々人で異なるためです。
そこでひとつの指標となるのが、「スッキリ起きれたか、どうか」です。睡眠時間については、少ない人で5時間未満でも大丈夫なようですし、多い人は9時間以上必要になる人もいます。
また、時間にこだわり過ぎてしまうと、余計に眠れなくなってしまうこともあるので、「スッキリとした気持ちで、起きれたらいい」程度に考えておくと余計な心配を抱え込まずに済みそうです。