腱板断裂(腱板損傷)という症状を知っていますか?

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Q:腱板断裂はどうやって診断しますか?MRIは必要ですか?

問診と身体所見、およびMRIまたは超音波の画像評価で診断します。

身体所見としては、圧痛点の有無を確認したり、複数の方向への筋力を測定したりします。また一定の角度で痛みが生じるかを確認するPainful arc signといった身体所見を評価します。

MRIでは腱板断裂の有無や関節水腫や滑膜炎の有無、腱板筋の萎縮や脂肪変性を評価できます。超音波検査も有用とされ、超音波検査のみで診断されることも増えてきています。

Q:なぜ腱板断裂では痛みが出てしまうのでしょうか?

腱板断裂や腱板損傷がある人のうち、全員に痛みが生じるわけではありません。実は、6割の人は腱板断裂があっても痛くないとされています。ではなぜ痛い人と痛くない人に分かれるのでしょうか?

実は腱板断裂で痛みのある人(有痛性腱板断裂といいます)には特徴があり、炎症の有無を調べるPETという特殊な検査をしたところ、痛みのある人には炎症が確認され、断裂があっても痛くない人には炎症が乏しいことが報告されています。

このことから、炎症が長引くことで痛み症状がでていると考えられます。

炎症が長引く際には、異常な血管が増えてしまい、その異常な血管とともに神経も一緒に増えてしまうことが知られていることから、このような異常な血管を標的とした治療により痛みが改善することがわかってきました。詳しくはこのページの後半も読んでみてください。





Q:腱板断裂でのリハビリはどういうことをしますか?

肩の腱板は4つの筋肉とその腱で成り立っていますが、一部に損傷がある場合、残っている筋腱をうまく使えるようにすることで、上腕骨が関節の受け皿の良い位置に保てるように訓練することを行ないます。

また、肩関節周囲筋や関節包、靭帯などの軟部組織が硬くなり、様々な動作が行いにくくなっています。そのため硬くなっている筋肉などの軟部組織を対象にストレッチやリラクゼーションを行い、肩関節の可動域を改善します。

また、肩関節の動きは、肩甲骨や胸郭、脊柱など、様々な部位が連動して動く関節になります。そのため、肩関節以外の問題となる部位も改善を図ります。

Q:腱板断裂でリハビリをしても改善しません。手術をしないと痛みは取れないのでしょうか?

前述したように、腱板断裂があっても、痛くない人もたくさんいます。腱板断裂があっても痛い人は4割だけで、残りの6割の人には痛みがありません。痛みは断裂そのものではなく、前述のように炎症が原因です。上記の数字は炎症が治まれば痛みなく過ごせる人が多いことを物語っています。

炎症が生じている部位には異常な血管ができてしまい、それとともに神経が増えて痛みの原因になっていることが知られています。

このページの後半でも紹介していますが、日帰りでできるカテーテル治療により手術をしなくても腱板断裂の痛みを治療することができます。

Q:腱板断裂の痛みを和らげるための運動はありますか?

1. 肩甲骨・胸郭のトレーニング
肩関節は、様々な部位が連動して動く関節になります。肩甲骨や胸郭などの可動性が制限されると、肩関節に負担がかかる場合があります。そのため、肩甲骨や胸郭の動きを出すことが有効です。

2. 肩関節の可動域トレーニング
机や台の上に手を置き、前に移動させることで、肩関節の可動域を広げるトレーニングになります。また、脊柱の動きもあわせてトレーニングできるため有効です。

Q:腱板断裂の手術にはどのようなものがありますか?リスクや失敗の可能性はあるのでしょうか?

関節鏡による腱板修復術、メスを入れる形での修復術、腱移行術、人工関節置換術があります。1~3カ月以上の保存療法を行っても症状の改善を認めず、疼痛や可動域制限により日常生活に支障がある場合は手術療法が考慮されます。

腱板修復術の術後成績は比較的安定していますが、術後再断裂が問題になることがあります(20~30%という報告が多いようです。広範囲断裂の場合には40~60%と高い再断裂の報告もあります)。人工肩関節の合併症としては術中術後のインプラント周辺骨折(2.8%)、神経損傷(0.5~4%)、脱臼(0~14%)、感染(0~10%)などがあります。また、これらの合併症が理由で再手術が必要になることがあります(約3%)。

Q:腱板断裂は手術しないと治りませんか?手術しないで改善する方法はありませんか?

前半でも述べたように、すべての腱板断裂の人が痛いわけではありません。痛みの伴う腱板断裂の人では、痛みの部位に異常な血管が増えていて治りにくい痛みの原因になっていることが知られています。このような異常な血管を減らす運動器カテーテル治療という新しい治療があり、入院せず日帰りでできるため最近になって広まっています。

[文:オクノクリニック | モヤモヤ血管による慢性痛治療]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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