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緊張が続く南北関係に改善の兆しは見られないが、韓国の文在寅大統領は金看板の「南北融和」を下ろす気はないようだ。
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統一部が先月30日、民間団体「南北経済協力研究所」による北朝鮮への防疫物資の搬出を承認。前例を覆して北朝鮮側の受領団体を公開せず、問題視されている。
南北経済協力研究所が政府に搬出を申請したのは、新型コロナウイルス感染症の防疫物資。平安北道の学校や港、病院などの公共施設に総額8億ウォン(約7024万円)規模を供給するという。先月末の内閣改造で李仁栄統一部長官が就任後、初めての北朝鮮への搬出承認だ。従来は南北交流の透明性向上の観点から北朝鮮側の契約先などを公開してきたが、今回は見送られたことで憶測を呼んでいる。伏線にあるのは、韓国で生活していた男性脱北者が軍事境界線を越えて北朝鮮の開城市に出戻り、新型コロナを初めて持ち込んだとされる騒動だ。
韓国軍合同参謀本部の調査結果によると、脱北者は先月18日未明、軍事境界線に近い北西部の江華島のあずまや付近でタクシーから下車。現場の軍監視所の勤務者は下車した男性の確認も報告もしなかった。脱北者はあずまや付近の排水路を通って漢江に入り、約2時間後の午前4時ごろに約5キロ離れた北朝鮮側に上陸。この間、脱北者は韓国軍の近距離・中距離監視カメラに5回、赤外線監視システム(TOD)に2回、その姿をとらえられていた。
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