鈴木尚広が伝授!試合前のストレッチ
~心と体をつなぐストレッチ論#1

2017.11.13

代走のスペシャリスト鈴木尚広 試合前のストレッチ

鈴木尚広さん

 プロ野球の読売ジャイアンツで活躍、代走での通算盗塁数日本記録を保持し「代走のスペシャリスト」と称された鈴木尚広氏。現役時代は故障が多かったこともあり、ストレッチを重要視していくようになった。その中には、つねに緊張した場面で登場する、自身の心と体をコントロールする目的もあったという。現代社会を生きる我々も、日々ストレスにさらされている。そこで、鈴木流ストレッチ論をあらためてお伝えしたい。

ストレッチで緊張を緩める

 私はつねに緊張した場面、1点を取る終盤の重要な場面に出場することがチームでの役割でした。ですから、まわりの雰囲気やファンの声援などで、すごく緊張するんです。しかし、そこで緊張しすぎてもいけないし、気持ちが緩みっぱなしでもいけない。適度な緊張をしなければいけないんです。だから、緊張状態の心と体を、いかに自分でコントロールしていくかをいつも考えていました。

 そこで、試合前はストレッチなどで、体を緩ませることに多くの時間を割いていたんです。試合に入れば当然緊張度は増しますので、練習から緊張するのではなく、緩めた状態をつくりながら、緊張を徐々に高めていく作業をしていました。ストレッチには1時間くらいかけていましたね。体を緩めるのがストレッチですから、ストレッチをしているときに緊張する人はまずいないと思います。誰かと話をしながらストレッチを行うことで、体はすごく緩んできます。

 私はストレッチが動作だけでなく、緊張を緩めるという面でも重要だと思っているんです。緩めすぎてもいけないのですが、試合前から緊張をつくる必要もありません。そういった意味でも、ストレッチに時間を割いていたという感じです。

ストレッチでは呼吸が大事

鈴木尚広さん

 ストレッチで大事なのは「呼吸」です。ゆっくり息を吐きながら筋肉を伸ばしていきます。呼吸を止めたままでは、体の緊張状態を緩めることはできません。極論すれば、ストレッチの動作自体よりも、呼吸がもっとも大切だと思います。呼吸によって、心と体をつなげていくという感覚です。

3回に分けてストレッチ論をお伝えします。
#1 試合前のストレッチ
#2 状況に応じた自己流ストレッチ
#3 フィジカルとメンタルの連動

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 ※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

 〔文/構成:ココカラネクスト編集部 〕

鈴木尚広 (すずき・たかひろ)

1978年4月27日生まれ、福島県相馬市出身。
5歳ころから野球を始め、相馬高校時代に甲子園出場はなかったものの、1996年のドラフトで読売ジャイアンツから4位指名で入団。「代走のスペシャリスト」と呼ばれた。2016年引退。通算228盗塁は球団史上歴代3位 。 代走での盗塁132は日本記録。現在はテレビ解説者などを務める。
公式サイト https://suzukitakahiro.com/

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