原巨人 早仕掛けの特攻ローテは「誰得」だった? 変則日程のワナ 投手陣へ深刻影響
3日のDeNA戦(東京ドーム)を3―3の引き分けに持ち込んだ巨人。1点を追う9回二死二塁から、代打大城が放った適時二塁打で執念のドローに持ち込んだ。週末のDeNAとの3連戦を2勝1分けとし、5日から始まる5・5ゲーム差で追う首位ヤクルトとの神宮対決に向け、原監督も「今の立場からいくと直接対決というのが望むところ」と腕をぶした。
一方、この3連戦で露呈したのが、投手陣のやりくりの厳しさだ。2戦目となった2日の試合前に予告先発として発表されていた山口が、試合前の練習中に右肘に違和感を訴え、急きょ登板を回避、結果として畠が代役を務めた。幸い、登板回避した山口は軽傷の模様で登録抹消せずに様子を見ることになったが、このような状態となったことは、チームで9月から取り組んでいる先発投手陣が中5で回る「特攻ローテ」が一因となっていると指摘する声もある。
菅野、山口、戸郷、高橋、メルセデスの先発5人が中5日、もしくは中4日で回るというもの。結果としてこのローテーションにしてからの9月は6勝14敗5分けと惨敗だった。
「原監督は中5日でも回れる強い投手を目標としているらしいが、それならばしっかり球数も厳守しないと。3日の試合を中4日で投げた戸郷も前の試合で130球超投げていた。ほかの先発ローテーション投手にもいえることだが、疲れがしっかり取れないまま投げていることで下半身に粘りがなくなり、結果的に早期登板につながってしまっている」(球界関係者)
ほかの球団からも効果が疑問視されている「中5日登板」を採用したことで、先発ローテーション投手の疲弊、早期降板による中継ぎ酷使とまさに「誰得」(誰が得するんだよの略語)の状態に陥ってしまっているというのだ。