トヨタ車体が新型ランドクルーザーで2023年のダカールラリーに参戦する理由とは?
TLCにとっては来年の大会が200シリーズでの最後の出場となる(トヨタ車体提供)
それよりも古い歴史を持つのがTLCだ。前身のトヨタ・チームアラコ時代から参戦を続けており、チームとしてのデビュー戦は1995年。300シリーズから数えて3世代前の「ランドクルーザー80」で出場し、その後は100、200とフルモデルチェンジに合わせて車両もスイッチ。来年は市販車部門9連覇がかかっている。
トヨタ車体はランドクルーザーの生産を請け負っている会社としても知られる。改造範囲の狭い市販車部門への出場にこだわる理由もダカールラリーを「走る実験室」と捉えているからだ。実戦を通じて車両の耐久性や悪路走破性を向上させ、量産車へとフィードバックさせている。だから、初公開された300シリーズはダカールラリーを闘い続けた血と汗の結晶といえる。
TLCは300シリーズでの出場について「ダカールラリーに挑戦し続ける中で蓄積した経験やノウハウを、ユーザーの皆さまにお届けするベース車両そのものにフィードバックされたクルマです。過酷なラリーの現場で求められる走破性を備えた新型ランドクルーザーでTLCは市販車部門での優勝はもちろん、総合上位への進出も視野に入れ、ラリー仕様車両の開発を進めて参ります」と意欲を燃やす。
ちなみに総合順位でのチーム過去最上位は2002年の9位。当時は改造範囲の広い順にプロトタイプ、スーパープロダクション(市販車改造部門)、プロダクション(市販車無改造部門)の3カテゴリーがあり、最も改造範囲の狭い市販車無改造部門からの参戦だったが、過酷なルートが設定された影響で、上位車両にマシントラブルやリタイアなどが相次ぎ、トップ10入りを射止めた。車両の堅牢性が証明された大会にもなった。
ランドクルーザーは1979年の第1回大会からエントリーしている数少ない名車でもあり、今後もいぶし銀の走りで大会を彩り続ける。
[文/中日スポーツ・鶴田真也]
トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)
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