フォーム改造の先にあった“落とし穴” 1軍登板なき阪神・湯浅京己の今「遠心力で投げるようになっておかしくなった」

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2度目の“キャンプイン”のような感覚で下した決断

 3月上旬に体調不良で離脱した湯浅は、数日で戦列に復帰を果たしたものの、打ち込まれる試合が続き、固まりつつあった新フォームの感覚も失った。

「試合で140キロ後半のスピードが出ていてもリリースの感覚がなくて抜けていくような……。力に頼って遠心力で投げるようなフォームになっておかしくなった」

 このままでは厳しい。現状打開のために大きな決断を下した。オフシーズンに取り組むような基礎的なトレーニングメニューから着手。「基本に戻ってやって、ちょっとずつ(メニューも)難しくしていって。本当に自主トレみたいな感じでやり直した」。今年2度目の“キャンプイン”のような感覚で地道に土台作りから始めたのである。

 自身の感覚とボールの威力にズレを感じなくなったのは5月下旬。球速も150キロ台まで戻り、打者の反応も明らかに変わってきた。「5月末から6月に入ってから感覚がよくなってきてるんで。まっすぐで押せるようになってるから、変化球もいきてくる。やっと試合でちゃんと投げられてる」。この「ちゃんと投げられてる」というフレーズに数か月間の苦闘がにじむ。

 やっと2024年のスタートラインに立った。ここからは結果を積み上げるのみである。レギュラーシーズンでは昨年6月以来となる1軍マウンドへの視線は力強さを増してきた。

「やっぱり1軍で投げないと意味がないと思うので。昨年からチームに貢献できていないと感じてる部分ももちろんあるし、やり返したい気持ちもある。今年も悔しい気持ちでいっぱいですけど、感覚が悪いまま根拠もなく抑えていて、もし1軍に呼ばれても絶対に無理だと思っていた。今は2軍でしっかり抑えていかないといけないし、ここからが勝負だと思っています」

 1軍では「Wストッパー」として開幕を迎えたハビー・ゲラが今月5日に2軍降格(同20日に1軍合流)。さらに近年のブルペンを心身で支えてきた岩崎優も本調子とは言えない状態だ。そうしたなかで、湯浅は昇格争いを勝ち抜いて投手陣の救世主となれるか。この平坦でなかった道が甲子園のマウンドにつながると信じて、腕を振っていく。





[取材・文:遠藤礼]

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