SB監督人事大波乱! 本命「小久保監督」消滅のなぜ
注目を集めていたソフトバンクの次期監督に藤本博史二軍監督(57)の内部昇格が決定的となっている。今季8年ぶりのBクラスと苦しんだ常勝軍団の立て直しに向けて、現実路線に舵を切った形だ。
藤本二軍監督の選手育成手腕は高く評価されている。指導者としては2011年の二軍打撃コーチを皮切りにここまで一軍打撃コーチ、三軍監督、そして今季の二軍監督などキャリアを重ねてきた。過去には若手時代の柳田を丁寧にサポート。選手に寄り添った指導で球界を代表する長距離砲への道すじをつけたことでも知られる。最近でも未完の大器として期待されるリチャードも三軍時代から手塩にかけて指導。現在のチームは若返りが急務とあって、若手育成の手腕に定評のある藤本氏に白羽の矢が立った。
一方、球団は来季に関して工藤公康監督(58)の続投を前提に進めていた。しかし、低迷したチームの責任を取り、工藤監督は続投要請を固辞。そんな中、後任人事では今季から入閣していた小久保裕紀ヘッドコーチ(50)の昇格が有力視されてきたはずだったが・・・。
ここにきて「小久保監督」が立ち消えとなったのにはいくつかの理由が指摘されている。一つには「現在のチーム状況です。日本一4連覇を成し遂げましたが、主力選手の高齢化が進み、今は世代交代の過渡期にあります。こういった時というのは、選手を育てる時期として誰が監督を務めても、何年間か低迷する場合が多い。小久保氏には荷が重いと判断した可能性もある」(球界関係者)。
同時に本来の選手育成に関して同ヘッドの手腕を疑問視する声もある。「主力の高齢化、世代交代にはどのチームも頭を悩ませますが、その時に大事なのは、いかにチームを前に進めるかという視点。選手に嫌われてもかまわないから、自分の責任で選手を使うという姿勢を示せるかがカギを握る。その意味では、工藤監督は起用に関して、思い切りがあったが、小久保ヘッドには甘さが見える部分もある」(同)。
今季の低迷の一因には、チームのベテランを重用するあまり、世代交代の時期を逸したとの見方も出ている。