WEC勇退の中嶋一貴が優勝し有終の美「ファイナルラップでは、感情を抑えきれず・・・」

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2003年にタイトルを取ったフォーミュラ・トヨタ時代の中嶋一貴(トヨタ自動車提供)


 ちなみにアルファタウリ・ホンダでF1を戦う角田裕毅はSRSのフォーミュラスクール出身だが、15歳の時に先にFTRSを受講。その時にスカラシップを取っていれば、トヨタのドライバーとして進んでいた可能性もあった。その逆に一貴もSRSのカートスクールの出身でホンダとのゆかりもある。海の物とも山の物ともつかない駆け出しであれば、はい上がるためにはわらをもつかむ。何事にも貪欲な姿勢でトライすることは大事だ。

 昨年からは新型コロナウイルス感染拡大の影響でWECに参戦すると帰国後は2週間の自主隔離期間が必ず設けられ、国内カテゴリーとの掛け持ち参戦が難しい状況が続いた。今季もスーパーフォーミュラにエントリーしたが、参戦可能な2レースのみに出場。スーパーGTは2年連続で参戦しなかった。

 来季以降は国内カテゴリーに専念することもできるが、トヨタのWECプロジェクトに継続して参画する可能性もあり、レーシングドライバーからの完全引退も選択肢としてはあり得る。悟さんが引退したのは38歳の時。一貴も来年1月で37歳になる。潮時を見極めつつあるようだ。

[文/中日スポーツ・鶴田真也]

トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)







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