中嶋一貴、父親同様30代での現役引退「レースを始めるきっかけをくれた両親に感謝したい」

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2020年のルマン24時間レースで中嶋一貴は3連覇を飾った(トヨタ自動車提供)


 一貴は「僕がレースを始めたのが11歳のときですので、それから25年。まずはレースを始めるきっかけをくれた両親に感謝したいと思います。18歳の時にフォーミュラ・トヨタから、トヨタの育成ドライバーとしてデビューしてから18年、人生の半分をずっとトヨタのドライバーとして、デビューから育てていただいた」。引き際の潔さは父親譲りでもあった。

 18歳からトヨタ一筋で、フォーミュラ・トヨタ、欧州F3、GP2(現F2)とステップアップし、F1ではウィリアムズ・トヨタの一員として2007年の最終戦でデビュー。08、09年と計3シーズンを戦った。国内レースに参戦しながら、12年にトヨタのWECプロジェクトに組み込まれ、2018―19年シーズンにシリーズ王者となり、仏ルマン24時間レースでは3連覇を果たした。

 「本当にたくさんの経験をさせてもらって、自分自身がもともと持っている力以上のものを環境によって引き出していただけたと思っているので、その点も感謝しています」と振り返った。

 WECのトヨタチームは一貴に代わってルマン経験もある平川亮(27)を起用。小林可夢偉はドライバー兼任でチーム代表も務める。世界ラリー選手権のワークスチームも昨年末のトミ・マキネン前代表の勇退に伴い、現役バリバリのヤリ―マティ・ラトバラ(36)=フィンランド=を後任に起用する英断を下した。その時から現役に近い選手をチームの要職に起用する方針に転換していたのかもしれない。

 会見であいさつしたトヨタ自動車の豊田章男社長は「私は最近、(同社が標榜する)『もっといいクルマづくり』に、意識的に『モータースポーツを基点とした』と付け加えている」と明かした。現役に近い選手をモータースポーツの要職に据えるのはドライバーファーストの考え方が根底にあるとみる。TGR-Eの副会長となった中嶋一貴の手腕が今から楽しみでもある。

[文/中日スポーツ・鶴田真也]

トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)







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