「私は君を救わないといけない」――闘志消えぬカルデナスを止めたレフェリーの“名判断” 井上尚弥の恐ろしさを示す「64」
「あの時、俺は『大丈夫、大丈夫だから』と言ったけど、レフェリーは『いや、ダメだ。私は君を救わないといけない。今、止めれば、君の将来も大丈夫だから』と言ったんだ。レフェリーの判断を議論するつもりはない」
実際、カルデナスは相当なダメージを井上によって負わされていた。ボクシングの専門サイト『CompuBox』が集計したデータによれば、挑戦者が主導権を失った6、7、8回で受けたパワーパンチは実に64発。とりわけ6回は52発中33発も被弾するなど深刻な状態にあったことは想像に難くない。
データを加味すれば、咄嗟に「君を救わないといけない」とカルデナスを止めたテイラー氏は、井上が猛攻を仕掛ける中で冷静に試合状況を見極めていたと言える。
一部で疑問が投げかけられた判断は、試合を公平に捌くこと、そして選手のキャリアを守ることを見事に遂行した名ジャッジだった。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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