「ストレス漬け」「性欲ない」…50代必見の男性更年期セルフチェック
3.男の「元気」をとり戻す3つの策
一般的に、男性更年期の専門的な診察や治療は泌尿器科で行います。まずは専門医に診てもらい、指示に従いましょう。泌尿器科で診断してもらった結果、軽度の更年期だった場合、普段の生活から見直して緩和ケアを行っていきます。
おすすめの3つの方法をご紹介します。
3‐1.禁煙する
タバコを吸うと男性ホルモンが増加するといわれています。しかし、内臓脂肪リスクに関連するコルチゾールも増加させてしまい、男性更年期の原因になります(※3)。また、生活習慣病リスクも上昇させるため、過度な喫煙は控えたほうがいいでしょう。
禁煙のコツは、代替行動です。顔を洗う、深呼吸する、飲み物を飲むなど、気分を紛らわす行動を考えておきましょう。それでも喫煙欲求を抑えられない場合は、禁煙外来で禁煙補助薬を処方してもらうという手段もあります。
3‐2.たんぱく質とビタミンB群を摂る
男性更年期を予防するなら、たんぱく質とビタミンB群が重要です。たんぱく質が不足するとセロトニンなどの神経伝達物質が減少し、うつを招く場合があります。ビタミンB群は不足すると慢性的な疲労感や筋肉痛、意欲低下などを招きます。
たんぱく質やビタミンB群が多く含まれている、おすすめの食材をご紹介しましょう。
<たんぱく質を多く含む食材>
・たまご
・鶏肉
・牛乳
<ビタミンBを多く含む食材>
・豚肉
・カツオ
・鮭
3‐3.漢方薬を飲む
男性更年期の対策として、漢方薬をとり入れることもおすすめです。実際に医療機関でも、治療の一環として漢方薬を用いるケースがあります。
男性更年期の不調に対しては、「ホルモンバランスの崩れを整える」「血流をよくして生殖泌尿機能を高める」「からだを温めて内臓機能を回復する」「消化・吸収の機能をよくして疲労感をとる」といったはたらきを持つ漢方薬を選び、根本改善を目指します。
<男性更年期におすすめの漢方薬>
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう):元気がなく疲れやすい方に適しています。弱った胃腸の機能を整え、食欲不振の解消、気力や体力の回復などの効果が期待できます。
・八味地黄丸(はちみじおうがん):疲れやすく、下半身がひえやすい方に適しています。生殖器系や泌尿器系の機能を整えるため、夜間頻尿、排尿困難、腰痛、しびれ、むくみなどへの効果が期待できます。
漢方薬は、体質との相性がとても大事です。最近は「あんしん漢方」という、スマホ1台でも気軽に利用できるサービスもあるので、漢方の専門家のアドバイスを聞き、体質に合った漢方薬を服用しましょう。
4.毎日の生活を見直して男性更年期を予防しよう!
男性更年期は、加齢による影響だけでなく、日々の生活習慣も原因のひとつです。禁煙やバランスのとれた食事など、毎日の生活を少しずつ意識し、いつまでも魅力的な男性として見られるように自分を磨きましょう。
【参考文献】
(※1)「男性更年期とは」公立学校共済組合 中国中央病院
(※2)「男性更年期障害(加齢性腺機能低下症、LOH症候群)」一般社団法人 日本内分泌学会
(※3)「The relation of smoking, age, relative weight, and dietary intake to serum adrenal steroids, sex hormones, and sex hormone-binding globulin in middle-aged men」PubMed
[文:あんしん漢方]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
あんしん漢方薬剤師 山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。
「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-Youtubeチャンネルで簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。