胸の痛みは体のSOSかも!? 痛む部位別の原因と対処法について
3.原因不明の胸の痛みには漢方も試してみて
上記をふまえたうえで原因がわからない胸の痛みには、漢方薬を取り入れた内側からのケアを行うというのもひとつの方法です。
胸の痛みや違和感の原因には、胸壁の神経や筋肉の炎症が考えられます。また、「ストレスや疲労などによる自律神経の乱れ」「血行不良」「ホルモンバランスの乱れ」などでも起きると考えられます。
このような症状の改善には、「胸壁の神経や筋肉の炎症を抑える」「自律神経を整えて血圧や心拍を正常にする」「ストレスを軽減して、精神が原因の動悸や胸のつかえを改善する」「血流を改善して血圧や心拍を安定させる」「ホルモンのバランスを整える」などの働きをもつ生薬を含む漢方薬を選びましょう。
漢方薬は自然由来の成分でできており、一般的に副作用が少ないとされているのが特徴です。また、1つの症状に強い効果を発揮する西洋薬とは異なり、体質改善や症状の根本改善を目的としています。
そのため、即効性があるわけではありませんが、長い目で見て症状の根本原因を解決したいという方には、とくにおすすめの方法といえるでしょう。
加えて、漢方薬は決められた時間に決められた量を服用するだけでよいため、運動や食事制限などの面倒がなく、続けやすいという利点もあります。
<胸の痛みや違和感に悩む方におすすめの漢方薬>
・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)(※2)
精神不安があって動悸、不眠などを伴う方におすすめの漢方薬です。神経の昂りをしずめることにより、心とからだの状態を安定させることができます。
・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)(※3)
気分がふさいで、咽頭から胸もとにかかえてふさがるような感じのある方におすすめの漢方薬です。精神の緊張をゆるめることで胸の違和感を取りのぞき、心を安定させることができます。また、胃にたまった余分な水分を取りのぞくことで、吐き気を抑えます。
日常生活に漢方薬を取り入れようと思っても、何を選んだらいいかわからないという方もいるのではないでしょうか。自分に合った漢方薬を選ばなければ、思ったような効果が得られないどころか、副作用が生じてしまう恐れもあります。
どんな漢方薬を服用するか悩んだときは、インターネット相談窓口を設けている「あんしん漢方」のようなサービスを利用して、薬効や副作用、漢方薬との相性、日常生活の養生法などを相談してみるといいでしょう。
4.胸の痛みは放置せず、早めに対策を!
原因不明の胸の痛みについて、原因や対策をご紹介しました。
胸の痛みには重大な病気や疾患が隠れている可能性もあるため、放置せず早めに対策を行うことが重要です。また、毎日の習慣に漢方薬を取り入れてみるというのも得策でしょう。
<参照>
(※1)健康長寿ネット「胸痛」公益財団法人長寿科学振興財団
(※2)くすりのしおり「オースギ柴胡加竜骨牡蛎湯エキスG」くすりの適正使用協議会
(※3)くすりのしおり「オースギ半夏厚朴湯エキスG」くすりの適正使用協議会
[文:あんしん漢方]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
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医師 木村 眞樹子
医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科にて臨床に従事。
妊娠、出産を経て、産業医としても活動するなかで、病気にならないからだをつくること、予防医学、未病に関心がうまれ、東洋医学の勉強を始める。
臨床の場でも東洋医学を取り入れることで、治療の幅が広がることを感じ、西洋薬のメリットをいかしつつ漢方の処方も行う。
また、医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。