卓球金メダリストの孫穎莎が誹謗中傷問題で中国ファンに向けて異例のお願い 大会中は”中指騒動”も勃発「みなさん、勝ち負けを…」【パリ五輪】

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孫は節度ある応援姿勢を求めた(C)Getty Images

 2週間にわたって行われたパリ五輪が閉幕した。

 各国アスリートの胸おどるプレーに加えて、様々な話題が飛び交う中、今回深刻な問題として顕在化したのは選手たちに対する、SNSを含めての誹謗中傷問題だった。

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 日本では柔道の阿部詩が早期敗戦で号泣したことを受けて、SNSでし烈な声が沸き起こった。本人がSNSで謝罪までする事態となったが、日本オリンピック委員会(JOC)も今月1日、「侮辱や脅迫などの行き過ぎた内容に対しては警察への通報や法的措置も検討する」と声明を発表するに至った。声明の中では選手が「心ない誹謗中傷、批判などに心を痛めるとともに不安や恐怖を感じることもある」としている。

 また、同じアジアの中国でもお家芸卓球をめぐって、誹謗中傷問題が深刻化していることが改めて注目された。

 8月3日に行われた卓球女子シングルス決勝戦。東京五輪とまったく同じ組み合わせとなったベテラン陳夢と孫穎莎との対戦では4-2で陳夢が2大会連続の金メダルに輝いた。

 大ベテランの陳の冷静なプレーが光り世界ランク1位の孫を退けるという白熱の展開となったが、まさかの出来事が起きたのは試合直後のことだった。

 決勝では孫の熱狂的なファンが目立ち、異様なムードが試合中から漂う中、観客席に向かって手を振り挨拶する陳に向かって前方にいた女性が中指を立てるしぐさをしたのだ。このときの写真や動画はSNSを通じてあっという間に拡散。その後、中国のSNS「ウェイボー」でも陳に対し、「地獄に落ちろ」「全国民の夢をぶち壊した」など中傷の声が大きくなったとされる。

 その後、北京市公安局は6日、当該の試合に出場した選手たちをSNSで誹謗中傷し「社会に悪影響を与えた」として、29歳の女を拘束したと発表した。

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