巨人の1位は本当に近畿大・佐藤なのか ドラフトの一寸先は闇 熾烈な情報戦
さあ10月。プロ野球ファンの秋の楽しみといえば、ドラフト会議です。今年は10月26日の月曜日に開催されます。超目玉は近畿大のパワーヒッター・佐藤輝明内野手。内外野をこなせることもあり、高評価を誇る逸材です。
この「佐藤獲り」にいち早く名乗りを上げたのは、巨人でした。8月28日、ジャイアンツ球場で行われた編成会議を終えると、大塚球団副代表がこのような注目発言を行ったのです。
「1位は即戦力の野手。外れたらピッチャー。次の野手はいかない。昨年、一昨年と高校生中心だったので、今年はピッチャーも即戦力です」
さらには「うちは今、足りないのはピッチャーと外野手。特にパワーヒッターが足りない」と続け、具体名こそ出さなかったものの、意中の選手が佐藤であることを示唆。1位の筆頭候補であることをアピールしたのです。
ドラフト会議から2か月前に事実上の「公表」を行うメリットは、どこにあるのでしょうか。
スポーツ紙のアマ野球担当記者は言います。
「編成担当者ができれば避けたいのがクジによる競合です。当たれば大きいが、外してさらに抽選となり、なおも外しまくると、クジに臨む球団トップの顔に泥を塗ることになる。巨人が今回、いち早く『佐藤で』と暗に打ち出したのも『佐藤は競合になりますよ。それなら他の選手に行った方がいいんじゃないですか?』という、他球団への牽制の意味が込められているのです」
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