オートバイWGP、ケガをしても休む訳には行かない理由
一流選手でも骨折経験が無い選手は皆無
中上は右肩の痛みに耐えながら日本GP決勝を16位で完走した(ホンダ提供)
過去には後遺症を抱えながら走っていた選手も数多くいた。1990年代に旧500㏄(現モトGP)クラスで5連覇を果たしたミック・ドゥーハン(オーストラリア)は事故の影響で右足でのブレーキ操作が不自由となり、左ハンドルに親指で操作するリアブレーキレバーを取り付けて出場。それでチャンピオンを獲得するパフォーマンスを続けたのだから驚く。
旧125㏄(現モト3)クラスで活躍した上田昇も98年に右腕の神経を断裂する重傷を負った。修復手術を受けて早期復帰を目指したが、ハンドルのグリップを握ることができる半面、手を自力で広げることができなくなったという。そこで、強制的に指を開くことができるゴムのワイヤーが編み込まれた特別なレーシンググローブをつけてレースを戦った。
レーシングカーを駆る4輪の選手と異なり、オートバイは体がむきだし。ヘルメットなど保護具も装着するが、転倒してアスファルトにたたきつけられれば、即座に大けがにつながる。オートバイの選手にとってけがは宿命。一流の選手でも骨折を経験していない選手は皆無なのだ。因果な職業・・・。
[文/東京中日スポーツ・鶴田真也]
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