【スポーツメンタル】瞑想を長期的に行うメリットとは?スポーツパフォーマンスとの関係
瞑想を長期的に続けると安静時呼吸が安定する?
瞑想の効果を科学的に証明しようという取り組みは長年にわたって続けられてきました。
Long-term mindfulness training is associated with reliable differences in resting respiration rate(Wielgosz et al.2016)では、長期的な瞑想の経験者は安静時の呼吸に低下がみられたとしています。この論文では、瞑想の経験者と非経験者に対して安静時における呼吸数の計測を行いました。
この結果、長期的な瞑想の経験者は1分間で平均1.6呼吸分遅く、非経験者との間で呼吸数に有意な差がみられたそうです。
また、被験者ごとの「身長」「体重」「肥満度」「ウエスト・ヒップ比」は影響因子とならなかったとされています。
この実験を通して、瞑想が呼吸パターンの感知と調節を介して生理的覚醒を感知し、それに反応する能力を高めることにつながる可能性があるのではないかと指摘しました。
同グループによる研究では、瞑想が「睡眠中の神経活動」「ストレス反応性と炎症反応」「炎症関連遺伝子発現」など、さまざまな神経・生理的プロセスに変化を与えるとする証拠が発見されているとしています。
この研究は瞑想が心技体を整えることを証明する第一歩であり、今後も瞑想に関する科学的なアプローチは続くようです。
瞑想を長期的に続けることでスポーツパフォーマンスを向上させよう
瞑想は気軽に始めることができる上、長期的に続けることで呼吸の効率向上といった効果も期待できます。従来のトレーニングだけで心技体の調和を取ることが難しい、と感じている方はぜひ瞑想にも挑戦してみてはいかがでしょうか。
参照論文・Long-term mindfulness training is associated with reliable differences in resting respiration rate(Wielgosz et al.2016)
[文:スポーツメンタルコーチ鈴木颯人のメンタルコラム]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
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一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会
代表理事 鈴木颯人
1983年、イギリス生まれの東京育ち。7歳から野球を始め、高校は強豪校にスポーツ推薦で入学するも、結果を出せず挫折。大学卒業後の社会人生活では、多忙から心と体のバランスを崩し、休職を経験。
こうした生い立ちをもとに、脳と心の仕組みを学び、勝負所で力を発揮させるメソッド、スポーツメンタルコーチングを提唱。
プロアマ・有名無名を問わず、多くの競技のスポーツ選手のパフォーマンスを劇的にアップさせている。世界チャンピオン9名、全日本チャンピオン13名、ドラフト指名4名など実績多数。
アスリート以外にも、スポーツをがんばる子どもを持つ親御さんや指導者、先生を対象にした『1人で頑張る方を支えるオンラインコミュニティ・Space』を主催、運営。
『弱いメンタルに劇的に効くアスリートの言葉』『モチベーションを劇的に引き出す究極のメンタルコーチ術』など著書8冊累計10万部。