【多様な働き方を研究するコラム】バイトテロ問題を、改めて考える
職場ではスマホをとりあげる、でいいのか?
バイトテロは、不適切な行為を行い、その行為を投稿するというように分解されます。SNSツールの普及による投稿の一般化が、テロを増加させているという先述の指摘がある一方で、不適切な行為は昔からあったという声もあります。
確かに、悪ぶった姿を世間に誇示したい若者たちは、いつの時代にも一定数います。
「盗んだバイクで走り出す?♪」とか「夜の校舎窓ガラス壊してまわった?♪」とか。
若者たちの代弁者として大きな支持を集めた尾崎豊さんのヒット曲です。
鬱屈を抱える彼らのなんらかの発露だったのでしょう。
しかし、昭和の時代は、ある意味で『バイク盗んだ止まり』であり、『窓ガラス割り止まり』でした。その様子を動画で撮影し投稿するという術がなかったわけです。
だから、勤務時間は休憩時間も含めスマホを鍵つきの金庫に入れて正社員が預かる、そうすれば物理的に撮れなくなるんだから、バイトテロ問題は解決。そういった声もあります。しかし職場の悪ふざけ投稿がなくなればよいのではなく、悪ふざけ行為自体がなくならないかぎり、本質的な解決とは言えません。