慶大の滑り止めがドラフト1位でプロ入りって…AO入試はどれだけ難関なのか
慶大の滑り止めがドラフト1位でのプロ入団-。
10月6日の午後、プロアマ球界が騒然となりました。世代最強投手と呼んでも過言ではない中京大中京のMAX154キロ右腕、高橋宏斗投手が進路表明会見に臨み、当初は慶大進学を希望しながら、AO入試で不合格になったこと、さらにはプロ志望届の提出を決断したことを表明したからです。
アマ野球担当記者は言います。
「明治神宮大会の優勝投手として名を馳せた高橋は、強いストレートと切れ味鋭いスライダーが武器です。プロ志望届を提出すればドラ1間違いなしの逸材とされていました。しかし、本人は兄と同じ慶大への進学を希望していた。実力は抜きん出ていますから、合格は間違いないだろうというのがメディアの見立てでした。今、書店に売っているドラフト特集号の殆どは『進学するから』との理由で高橋をドラフト候補にしていません。その日の朝も、アマ野球報道に手厚い日刊スポーツがわざわざ『大学進学濃厚』と書いたぐらいです」
ところが、まさかのサクラ散る-。
進学を表明するための会見はそのまま、プロ志望表明の場となったわけです。
慶大OBは言います。
「慶大はかつて、入学を熱望していた作新学院・江川卓を不合格にしたこともあります。江川も野球部関係者からすれば喉から手が出るほど欲しい逸材だったことでしょう。野球に理解がない教授の中には、講義の中で『ウチは江川を落とした。それが他大学との違い。慶応のプライドだ』と熱弁を振るう人もいた。慶応のアカデミズムを強調する上での『実績』にもなっているのです」
それにしても、強豪私大が水面下で熾烈なスカウティング合戦を展開している大学球界で、明治神宮大会を制した「世代最強」の投手が不合格を言い渡されるとは、にわかに信じられません。東大を除く他の4大学なら「ウチにぜひ!」と引く手あまたでしょう。