森保ジャパン最大の焦点…左シャドーの最適解は? 第一候補は鈴木唯人、ジョーカー維持なら中村敬斗は“温存”が理想か
鈴木唯はアイスランド戦で結果を残したい(C)Getty Images
中村か、鈴木唯か。よりパフォーマンスを計算できるのは経験がある中村だが、彼を左シャドーへ移す場合は、左ウイングハーフの代役を用意しなければならない。ボリビア戦の後半には前田大然、ガーナ戦の後半には鈴木淳之介が左ウイングハーフに入り、中村との組み合わせでプレーした。
ただし、ボリビア戦の1ゴール1アシストなど、これまで中村の左シャドー起用は、後半に攻撃を変化させるジョーカー的オプションとしてゲーム戦略上、重要な効果を挙げてきた。つまり、中村を左シャドーのスタメンに置く場合、新たなジョーカーが必要になる。その候補は塩貝健人なのか、後藤啓介なのか、あるいは小川航基なのか。いずれにしても博打感が強い。
中村の左シャドーは、可能ならジョーカーとしてキープしたい手札だ。彼はシュートやアシストなど仕掛けに優れた選手で、いわゆる「決定力」がある。終盤に局面が固まった時間帯ならともかく、スタメンから左シャドーに置いて複雑なタスクまみれにするのは、中村敬斗がもったいない。できるだけシンプルに、ふさわしい局面で仕掛けさせたい選手だ。
その意味では、鈴木唯が三笘の代わりに左シャドーのスタメンにフィットできれば、いちばん楽だ。中村の起用法を含め、ゲーム戦略全体への影響を抑えられる。これまで鈴木唯は左シャドーだけでなく、右シャドーでも起用されてきたので、南野や久保建英にアクシデントがあった際の左右汎用のシャドーのバックアップとして考えられていたのだろう。まさに今がそのとき。三笘に代わる第一候補は、鈴木唯だ。
ただし、問題は実績。左ウイングハーフとの組み合わせを見ると、イングランド戦の終盤に鈴木淳と、アメリカ戦ではスタメンで前田と、オーストラリア戦では中村と、それぞれ左サイドで組んでいるが、プレー時間が短く、その機能性は南野や三笘に及ばない。本番までに連係が高まることを期待したいが、鈴木唯が鎖骨骨折から復帰に時間を要するとなれば、大切な機会である5月31日のアイスランド戦に出られない可能性もある。
もし、そこで鈴木唯に目処が立たなければ、左シャドーは中村が第二候補になるが、その場合は別のゲーム戦略、別のジョーカーを持たなければならない。アイスランド戦が一つの目処だ。
また、おそらく誰が左シャドーの代役に入っても、三笘-中村、あるいは南野-中村ほどの連係は作り出せない。根拠なき高望みはできない。その場合、特にビルドアップやラインブレークは左サイドよりも右サイド、久保建英と堂安律にかかる期待と負担が大きくなりそうだ。彼らの重要性もまた、増したと言える。
この苦難をどう乗り越えて行くか。泣いてばかりもいられない。高ければ高い壁のほうが、登ったとき気持ちいいそうだ。
[文:清水英斗]
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