【がけっぷちの男たち】楽天・オコエ~勝負の7年目 甲子園のスターも野球人生の岐路に~

タグ: , , 2021/12/27


 「目標とする選手? 走攻守で分けています。走塁は巨人の鈴木(尚広)選手。バッティングは山田哲人選手で、守備は新庄選手、イチロー選手です。遅くてもFA取得までにはメジャーにいける選手に」

 2015年秋のドラフト会議。カメラマンの無数のフラッシュに照らされながら、楽天にドラフト1位指名された関東第一高校の超高校級外野手・オコエ瑠偉はプロでの意気込みをこう語りました。

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 あれから6年-。

 歳月は無情です。今秋の契約更改交渉を終えたオコエは、現状維持の年俸1000万円でサインしました。出場42試合、打率は2割2分3厘、0本塁打、6打点。2月に左手を手術した影響はありましたが、レギュラー奪取はならず、不完全燃焼のシーズンになりました。

 「あの頃のオコエを思えば、今は本領発揮しているとは言い難いですよね」

 そう語るのは当時、スポーツ紙のアマチュア野球担当として、甲子園での活躍を追った記者です。こう言葉を続けました。

 「当時から守備と走塁は1軍レベルの即戦力。プレーに華やかさがあり、打撃面で順調に経験を積めば、トリプルスリーも狙える逸材と期待されていました。あの年、チーム事情から巨人は単独で立命館大のエース・桜井俊貴投手を1位指名しましたが、直前まで『オコエ1位』を検討していたほどです」





 各球団とも「ドライチ」は下位指名の選手よりも、長い目で開花を待ってもらえる傾向があります。球団としても高い契約金で「投資」をした案件だけに、「回収」しないことには企業として失敗事案に終わってしまうからです。

 ここまでパッとした成績を残せていないオコエが、定位置をつかめる可能性はどれほどあるのでしょうか。

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