ベガス帰還戦でも揺るがぬ“優位” 井上尚弥の絶対性を物語る敗れし者の言葉「イノウエが負けるなんて微塵も思えない」
元世界王者が語った井上との「差」
勝ち筋を見出せなかったマクドネルがそうであったように、多くのファイターたちは井上の隙を見出せぬまま、防戦一方となって敗れている。
では、曲がりなりにも世界チャンピオンの称号を手にした名手たちと井上の差は何か。20年10月にラスベガスで対峙し、7回KOという鮮烈な形で黒星を喫したジェイソン・モロニー(豪州)は「イノウエは本当に並外れた選手だ。ラッキーなパンチが当たるかどうかが、彼を倒せる唯一のチャンスだ」と強調。そして、怪物とマッチアップした際の胸中を赤裸々に語っている。
「彼を語る上で重要なのは、イノウエが本当に自分に自信を持っているということなんだ。彼はいかなるリスクを恐れない。だからこそ、彼は観ていてワクワクするし、危険な存在になっている。彼は自分自身のパワーを信じていて、攻撃するときは、攻撃を受ける覚悟もできている」
圧倒的な攻撃力を活かすためには、ある程度のリスクも必要になる。それを犯すためには図抜けた胆力が求められるわけだが、モロニー曰く井上は、十分すぎるほどのメンタリティーを備えているという。
試合後に病院送りとなった34歳は、こうも続けている。
「いったい実力者がいるだろうか。彼がさらに階級を上げて、より大きく、より肉体的に強い相手と対戦するようになれば、対戦相手は成功を収められるかもしれない。だけど、今のところ、イノウエが負けるなんて微塵も思えない」
群雄割拠のボクシング界にあって「負けるなんて思えない」と言わしめる井上。そんな傑物は、世界中の熱視線を集めるラスベガスのリングでいかなる戦いを繰り広げるのか。その一挙手一投足への興味は尽きない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
【関連記事】【現地発】挑戦者カルデナスに“チャンス”はあるのか? 元世界王者が説いた井上尚弥戦で“世紀の大番狂わせ”が起きるシナリオ「井上は時々隙ができる」
【関連記事】井上尚弥戦のキャンセルで手術も断念…IBF1位グッドマンが“寂しい懐事情”を告白「ローンの支払いも迫られ、問題は山積みだ」
【関連記事】カルデナスに「可能性はない」 井上尚弥の練習相手が米放送局で語った“現実”「ナオヤは常に本気。だから挑戦者が脅威と思えない」






