日本人投手最多の25イニング連続K 山本由伸の奪三振数が増えた理由と課題とは
今回山本に抜かれたのは、23イニングで3投手が並んでいた。1968年の阪神・江夏豊、1980年の日本ハム・木田勇、そして昨年のロッテ・種市篤暉である。3投手とも、先発登板だけでなく、救援登板を挟んでいる。純粋な先発投手としては、今回山本が築いた記録が抜けたものであることが分かる。
昨年は防御率1・95で初のタイトルを獲得。11月にはプレミア12に出場する侍ジャパンに選出され、セットアッパーとして初優勝を支えた。ただ、127奪三振は投球回の143回より少なく、トップのソフトバンク・千賀滉大の227奪三振からは大きく引き離されていた。
1イニングあたり1個以上の三振を奪う、という指標は、その投手が奪三振マシーンか、打たせて取る派かをはかる上で手っ取り早い。山本は三振が増える傾向にある救援投手時代の2018年でさえ、53イニングで46奪三振と三振数が下回っていた。
今季はここまで66回2/3を投げて77三振と、プロ入り後初めて指標が奪三振の方へ振れた。その理由はより落差と精度が上がったスプリットにあるだろう。あとはいかに無駄な四球やファウルを減らし、少ない球数で、勝負どころでは三振も奪いながら、イニングイーターとなれるか。ドクターKではなく、勝てる投手へ。山本自身も、チームも、その先の姿を強く望んでいることだろう。
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