角田裕毅のレッドブル昇格は? 初テスト後の「運転スタイルが合っている」の発言が運命を変えるか
角田のフィードバック能力をレッドブルのエンジニアも評価しているようだ(C)Getty Images
RBで4年目のF1シーズンを終えた角田裕毅が来季のレッドブル昇格へ猛アピールした。F1最終戦アブダビGP終了後の12月10日にヤスマリーナ・サーキットで行われたF1合同テストでレッドブルのマシンを初テスト。来季用のタイヤを履いて走行データを収集し、同日はルーキーを含む出走23台の中で17番手のタイムを計測した。
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「(今季型マシンの)RB20が今年チャンピオンシップを争っている理由は体感できる。運転するとまるで違う車のように感じる」と振り返り、「この車は自分のドライビングスタイルに合っていると感じている。適応するのに苦労することはほとんどなかった。ロングランでも安定して走ることができ、車の限界を感じられた」。順応性の早さを示した形でエンジニアらからもフィードバックの能力を評価された。
レッドブルは成績不振だったレギュラードライバーのセルジオ・ペレスを更迭することを模索しており、後任に角田のほか、RBでチームメートのリアム・ローソンを候補と考えているもよう。角田はテスト走行ではこれまでRB(旧アルファタウリ)のマシンにしか乗ったことがなく、どれだけの実力が備わっているのかの裏付けがなかった。今回は絶好の機会にはなった。
ところがドライバー人事に関するチーム内の協議はテスト前の9日に行われたとみられており、アブダビGP直前には欧州のメディアで「ローソン起用の公算が大きい」と報じられるなど、角田は分が悪いとの見方が強い。ただし、F1の人事は水物で急展開することはざらだ。現場のエンジニア陣から「角田推し」の声が強まれば、シートを射止めることは十分にあり得る。実際にレッドブルのパフォーマンスエンジニアリング責任者のベン・ウオーターハウスは「フィードバックが素晴らしかった」と絶賛している。