その不調、本当に夏バテ?男性更年期のシグナルである可能性も
3.男性更年期を吹き飛ばすセルフケア
ここからは、男性更年期の症状を軽減するセルフケアを3つご紹介します。
3-1.有酸素運動や筋力トレーニング
ジョギングなどの有酸素運動と、筋力トレーニングなどのレジスタンス運動は、男性ホルモンのテストステロンをアップさせる効果があるといわれています(※2)。
朝少し早めに起きて軽くジョギングをすると、目覚めもよくなります。もし外で運動する暇がない場合は、室内でできるヨガもおすすめです。ヨガは精神のリラックスにもつながるので、ストレスがたまりがちな男性更年期の不調をケアできます。
筋力トレーニングは、スポーツジムに通わなくても大丈夫。腕立て伏せやスクワットなど、器具を使わない筋力トレーニングでも効果が得られます。まずは、運動する習慣を身につけましょう。
3-2.バランスのよい食事
バランスのよい食事は、テストステロンの安定につながります。食事を通してテストステロン値を高めるために、積極的に摂取しておきたい食材もご紹介します。
・やまいも(長芋、自然薯など)
若返りホルモンとも呼ばれる「DHEA」が豊富に含まれる(※3)。
・にんじん、パセリ
テストステロンに似た成分が含まれていて、テストステロン不足を補う。
・アボガド
ホルモン分泌を促し生殖機能を維持するビタミンEが含まれる。
逆に、避けたほうがいい食べ物は高カロリーの油物や、刺激物、過度な飲酒などです。糖質に関しては、糖質制限をしすぎるとかえってテストステロンの低下を招くことがあるので注意しましょう。
3-3.漢方薬の活用
男性更年期の不調の緩和には、漢方薬もおすすめです。実際に、医療の現場でも、男性更年期に対して漢方薬が処方されています。
また、漢方薬は植物や鉱物など、自然由来の生薬をもとに構成されていて、一般的に西洋薬よりも副作用のリスクが低いといわれています。
男性更年期の不調に対しては、「ホルモンバランスの乱れを整える」「血流を促し、生殖泌尿機能を高める」「からだを温め、内臓の機能を回復させる」「消化・吸収の機能を高め、疲れをとる」といった作用を持つ漢方薬を選び、根本改善を目指しましょう。
<男性更年期の不調におすすめの漢方薬>
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう):胃腸の機能を整え、体力を回復し、だるさや疲労感、食欲不振などを緩和します。
・八味地黄丸(はちみじおうがん):からだをあたため、泌尿器系や生殖機能を高め、衰えたからだにはたらきかけます。
漢方薬は体質との相性が重要です。相性がよくないと、本来の効き目が期待できないどころか、副作用が起こる可能性もあります。漢方薬を使用するなら、医師や薬剤師におまかせしましょう。
最近は、「あんしん漢方」のようなオンライン漢方サービスも人気です。体質診断から漢方薬の処方まで完結するので、手軽に漢方薬を活用できます。困ったことがあればいつでも相談可能で、アフターフォローが充実しています。
4.まずは生活習慣を整えよう
夏バテと勘違いしやすい男性更年期は、男性ホルモンのテストステロンの低下によって起こります。テストステロンの低下の原因は加齢やストレスなどさまざまですが、セルフケアである程度緩和できる場合もあります。まずは生活習慣を整え、テストステロンが低下しない生活を心がけましょう。
【参考】
(※1)大正製薬「夏バテの予防と対策」
(※2)相澤勝治(専修大学スポーツ研究所)「性ホルモンと骨格筋」
(※3)オムロン ヘルスケア「若返りホルモンとも呼ばれるDHEAの秘密」
[文:あんしん漢方]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
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<この記事を書いた人>あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。