フルトンの顔が歪んだ井上尚弥の拳 規格外の破壊力を元宿敵コーチも証言「イノウエは誰が何と言おうと素晴らしい」
数多の猛者を沈めてきた井上。フルトンも屈した破壊力を、かつて対峙したマクドネルのトレーナーも称えた。(C)Getty Images
去る7月25日に東京・有明アリーナで行われたボクシングの世界スーパーバンタム級タイトルマッチで井上尚弥(大橋)が、対峙したスティーブン・フルトン(米国)をリングに沈めたパンチは、「モンスター」の異名が過大評価ではないと証明する破壊力があった。
繰り出したパンチの衝撃は、何よりも被弾したフルトンの表情が物語っていた。8回だった。左のボディージャブを利かせてからすかさず右ストレートを顔面に当てると、ふらつきながら後退した王者を追撃する左フックを炸裂。勝負を決める致命的な連打となった。
【動画】リングサイドから映した衝撃ダウン! フルトンが歪んだ井上尚弥の破壊力をチェック
このラッシュシーンに対する反響は今なお続いている。現地8月1日に米興行大手『Top Rank』がX(旧ツイッター)で、話題となったダウンシーンのハイライトを「イノウエに捧げる」として再掲。これを見たファンから「改めて見直しても信じられないスピードと正確性だ」「何回見ても飽きない」「歴史に残るシーン」と井上を称えるコメントが寄せられた。
体躯で上回り、何よりも守備力は世界屈指。フルトンに対する戦前の下馬評を考えれば、井上が見せつけたパフォーマンスは驚くほかにない。もっとも、日本が生んだ怪物の破壊力を目の当たりにした経験を持つ識者は、当然の結果だと見ている。
「イノウエは誰が何と言おうと素晴らしいよ」
そう論じるのは、2018年5月に井上に敗れた元WBA世界バンタム級王者ジェイミー・マクドネル(英国)のトレーナーを務めるデイブ・コールドウェル氏だ。