中村紀洋がソフトバンク・内川を絶賛 「現役の右打者で打撃技術はNo.1。今年も首位打者を狙える」

タグ: , , , 2018/5/15

どういう角度でバットを出せば安打を打てるかを知っている


 中村紀洋です。連載企画5回目の今回はソフトバンク・内川聖一選手について綴らせて頂きます。

 9日の西武戦(メットライフドーム)でプロ野球史上51人目のプロ通算2000安打を達成しました。素晴らしいの一言に尽きます。大記録達成が近づくにつれ、メディアや周囲から注目される重圧もあったと思います。本来の状態を取り戻せば安打を積み重ねられる選手です。現役の右打者で打撃技術はNo.1だと思います。

 内川選手の凄さは常に自分のミートポイントで打っているところです。どういう角度でバットを出せば安打を打てるか知っているので、どのコース、高さに来た球も対応できる。普通の打者は結果を出そうと焦って自分の打撃を崩してしまいます。ここが一流と二流の違いだと思います。広角に安打を打つ技術が評価されますが、状況によっては狙って本塁打を打っています。本塁打だけを狙えと言われたらもっと打てると思いますし、それだけ高い打撃技術を持っていると僕は思っています。

 若手の時はなかなか定位置をつかめなかったようですが、良い打者であることは耳に入っていました。一塁は外国人選手が守ることが多い中、「あれだけの選手だから外せない」と打撃力が重視され、安打を積み重ねたことも価値があります。

 チームメートに恵まれたことも大きかったのではないでしょうか。横浜(現DeNA)では後ろに村田(修一)選手、現在のソフトバンクでは柳田(悠岐)選手、デスパイネ選手とクリーンアップを組んでいます。前後の選手の存在は大きいものです。私も近鉄の現役時代は3番にタフィー・ローズ選手、5番もチャンスに強い磯部(公一)さんが控えていたので勝負を避けられることがなく、自分の打撃を貫くこともできました。

 内川選手はケガさえなければ年間を通して数字はおのずとついてくると思います。今は打率が上がらなくてもシーズンは長いですし、今年も首位打者を狙える可能性は十分にあると思います。


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[文/構成:ココカラネクスト編集部 平尾類]

中村 紀洋(なかむら・のりひろ)

渋谷高で2年夏の90年に「4番・投手」で激戦区の大阪府予選を勝ち抜き、同校初の甲子園出場に導く。高校通算35本塁打。91年にドラフト4位で近鉄バファローズに入団し、「いてまえ打線」の4番として活躍した。00年に39本塁打、110打点で本塁打王、打点王を獲得。01年も132打点で2年連続打点王に輝き、チームを12年ぶりのリーグ優勝に導く。04年に日本代表でシドニー五輪に出場して銅メダルを獲得。メジャーリーグ挑戦を経て06年に日本球界復帰し、07年に中日で日本シリーズMVPを受賞した。13年にDeNAで通算2000安打を達成。15年に一般社団法人「N’s method」を設立し、独自のMethodで子ども達への野球指導、他種目アスリートを中心にトレーニング指導を行なっている。17年には静岡・浜松開誠館高校で硬式野球部の非常勤コーチに就任。高校生の指導に力を注ぐ。

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