猿まね厳禁！有望若手が首脳陣を困惑させた「越境」合同自主トレの弊害
佐藤はキャンプ初日のフリー打撃で、６８スイング中、柵越え０本だった。アレ？と首をかしげたのは岡田彰布監督（６５）。差し込まれる場面が多く「（打つポイントを）前にするだけよ。柳田は引きつけて打つ方。引きつけすぎることをやめろと俺らが言うことと真逆やなあ」と注文をつけた。
佐藤はプロ１年目から２４本塁打、２０本塁打をマーク。勝負の３年目、柳田打法に影響を受けた。だがキャンプ２日目以降は首脳陣の助言を受けて従来の前さばきスタイルに戻し、フェンスオーバーを連発。「まるっきり違うやんか。ちょっと安心したわ」と岡田監督も胸をなで下ろす一幕があった。
球団の垣根を越えた合同自主トレが当たり前に行われる時代になったが、メリットもデメリットもある。球界トップに君臨する山本は「アーム投げ」と呼ばれる独特な投法で、誰にでも合う投げ方ではない。ロッテの１６４キロ右腕、佐々木朗希（２１）もかつて山本に感化されてフォームを似せようとチャレンジしたこともあった。
十分な実績を残した山本は、確固たるフォームの「型」があって、さらに進化しようとしている。悪ければ、元に戻せる自信があるからできる。一方、自分の「型」を確立していない選手が、独特のフォームをまねるのはリスクが伴う。元に戻そうとしても、うまくできず、本来の良さが消えてしまう可能性もある。
ものまねに進化を求めた高橋、佐藤輝は仮に続けていれば成功したかもしれないが、今回は首脳陣の意向に沿う形で軌道修正しつつある。元をたどれば、「越境」合同自主トレだ。影響力のある選手には、人が集まる。知識や考え方を学び、意見交換し、自分を知り、レベルアップを目指すのはいい。
ただの「猿まね」は危険だということはお忘れなく。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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