競争が過酷なメジャーリーグで生き抜くのは、やはり並大抵ではない。それは侍ジャパンの不動の4番だった吉田も同様だ(C)Getty Images
久々に飛び出した一発
ようやく待望の一発が出た。現地時間5月24日、レッドソックスの吉田正尚が、本拠地フェンウェイ・パークで行なわれたツインズ戦に「5番・DH」で先発出場。チームが1点を追っていた2回、先頭打者として立った第1打席に、今季第1号となるソロアーチを放った。
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冷たい雨が降りしきるボストンに鮮やかな放物線を描いた。ツインズ先発ベイリー・オーバーと対峙した吉田は、カウント1-2からの4球目、内角低めの83.4マイル(約134キロ)のチェンジアップを軽やかに弾き返すと、右翼方向に舞い上がった打球はスタンドに一直線で突き刺さった。
4回の第2打席にもレフトへの二塁打を放ち、一時逆転を呼び込むチャンスメークをした吉田。久々に快音を響かせたわけだが、置かれた立場は実に過酷だ。というのも、外野手が”人員過多“という編成の中でローマン・アンソニーやセダン・ラファエラといった若手起用を重視する球団の事情により、出場機会が限られているのだ。
状況は開幕前から今に至るまで大きな変化はない。レッドソックスは、現地時間4月25日、アレックス・コーラ監督を筆頭に、打撃コーチのピーター・ファッツェ氏、ベンチコーチのラモン・バスケス氏、三塁ベースコーチのカイル・ハドソン氏、打撃アシスタントコーチのディロン・ローソン氏、打撃戦略担当コーチのジョー・クローニン氏の5人を解任。シーズン中では「異例」と言える大規模刷新を敢行し、指揮官をチャド・トレーシーに交代したが、吉田は今も継続的なチャンスを与えられていない。
もっとも、レッドソックスは、現地時間5月24日の試合終了時点で、22勝30敗でアメリカン・リーグ東地区最下位と開幕から低空飛行が続く。ならば、起爆剤として吉田を使ってみても良いように思えるが、出場機会は限定的である。
そうした限定的な出場機会の中で、打撃成績は上向かない。先のツインズ戦を終えた時点で、打率.263、1本塁打、出塁率.355、長打率.379、OPS.734と絶好調とは言い難い。また、長打になる確率を表す指標であるバレル率は1.2%しかなく、アジャストの面で苦心している感が否めない。