打てない選手はすぐには打てない!? NPBでも使用容認で話題沸騰の「魚雷バット」に潜む“危険性”「プロを打つのは単純じゃない」

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芯の位置が変化し、メジャーで大きな効果を発揮している魚雷バット。(C)Getty Images

ド軍マンシーは「違和感」を口にする

 米球界でとてつもない反響を生んだ“一品”が、ついに日本にも到達した。4月11日、プロ野球規則委員会は、メジャーリーグでトレンドとなっている「魚雷(トルピード)バット」の使用を即日容認。すでに12球団に通達し、選手が使用可能になった。

【画像】通常よりも膨らむ芯 ヤンキースナインが使用した「改造バット」を見る

 名門打線の“爆発”によって一気に広まった。そもそも利用者が少なくなかった魚雷バットだが、現地時間3月29日のブリュワーズ戦で20-9と大勝したヤンキースにおいて、ジャズ・チゾムJr.やポール・ゴールドシュミットら複数の打者が使用していたことからあっという間に話題が沸騰。他球団でも使用に興味を示す選手が増加傾向にある。

 すでにメキシコや韓国では導入の流れが生まれていた魚雷バット。各球界の規定に抵触する形状でないため、NPBで広まるのは時間の問題でもあった。実際、各バットメーカーからは選手の下に届けられ、練習などで打感を確認する選手も見られている。

 もっとも、魚雷バットを使用したからといって、打てない選手が極端に打てるようになるかは不透明ではある。というのも、名門マサチューセッツ工科大の物理学博士号を持つアーロン・リーンハート氏(現マーリンズのフィールドコーディネーター)によって開発された同バットは、打球が最も飛ぶとされるバレルの位置を従来の製品よりも先端から約10〜15センチの部分にあった芯を約20〜27センチの位置に移動させたというスタイルとなっている。

 端的に言えば、芯の重量配分を手元にずらしただけ。バットが先細りしたためにスイングスピードが速くなるという効果が生まれた一方で、元来バットでしっかりと打球を捉えられていた選手が使用して結果が出るかはわからないのである。実際、ヤンキースの主砲アーロン・ジャッジは「これまでの自分の実績が物語っている、上手くっているのに、何かを変える必要はない」と明言。従来のバットを使用し続け、打率.354、6本塁打、OPS1.238のハイアベレージを叩き出している。

 実際、魚雷バットに対する違和感を口にする打者もいる。ドジャースのマックス・マンシーは、米YouTubeチャンネル『Foul Territory』において「今のバットで満足」と強調。実戦で試した中で「本当に違和感があった」と正直に明かしている。

「実際の芯の厚みに関しては、誰にでも合うわけではないと思う。バットの底にポンプを追加した時も、一部の選手にとっては面白くないものになる。選手によって好みは違うし、僕はキャリアを通して同じモデルをスイングしてきた。バットの一番端までずっとポンプを回してきたから、それをヘッドの真ん中あたりに変更すると、すごく違和感があったんだ」

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