「東さんってあんまり首を振らないんです」エースから突き付けられる“ド直球”の言葉 24歳捕手が語る工藤-城島を彷彿とさせる“バッテリーの真髄”【DeNA】
東とのバッテリーは、西武からやってきた若手捕手にとって刺激の日々となっている(C)産経新聞社
相手がこちらを読めば、こちらはその一歩先を読む世界
FAの人的補償で西武からDeNAに移り、新天地に活躍の場を求めた古市尊は今、エースとして君臨する東克樹とのバッテリーを通じ、捕手として一皮むけようとしている。
進化の背景にあるのは、古市がかねてから抱いていた配球へのこだわりと、エースとの間で交わされる一切の気遣いを排した“ド直球”の言葉の数々だった。
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ベンチや映像越しに東の投球を眺めていた頃から、古市には捕手としての強い確信めいた思いがあった。
「東さんがインコースに投げたらバッターは嫌じゃないですか。だから『使わないな』ってずっと見てて思っていたんです。2シームもあるのに、左のインコースに行かない。行けば、楽やのにな、打たれるパターンも減るんじゃないかなと思ったりしていました。
絶対に曲がり球をケアするバッターなら、インコースに投げれば1球で終わる。球数も減るのにと思いながら最初の頃は見ていたんで、じゃあ組むならやってみようっていう考えの中で始めました」
エース左腕の投球を研究し、自らが出した答えをすり合わせるように、果敢に内角を突くリードを展開した。
その配球に、当の東も確かな信頼を口にする。
「やっぱりインコースの使い方はうまいと思います。彼の引き出しの中には非常にいいものがあると思いますね」
一方で、東は古市に次なる課題も見据える。それは「パターン化させないこと」。
古市がマスクを被る試合が増えれば、必然的に相手も配球の傾向を分析する。それを強く感じさせたのは、8月18日から始まった巨人との3連戦だった。
「同一カード3連戦で同じピッチャーと組んだ経験があまりなかったので、そこは騙し合いだし、駆け引きもありました。データも出てくるんで、カーブを使ったりとかしましたね。クライマックスシリーズでジャイアンツと当たるじゃないですか。そこも含めて駆け引きですね」
相手がこちらを読めば、こちらはその一歩先を読む。将棋やチェスのような思考が必須となる世界。当然ながら東も同じ着眼点を持っている。
「古市がマスクを被り始めて、この場面ではインコースが来る確率が高いとか、そういったこともおそらくデータとしても出てきた頃だと思う。そこらへんはもう一度しっかり精査して、パターン化させないこと、しっかり相手の裏をかけるようにっていうところは2人で話し合ってやっていけたらと思います」
今まで通用していたから続けるのではなく、相手の対策を見越して、次の一手を考える。古市はいま、プロの捕手に求められる緻密な頭脳戦の真髄に踏み込んでいるのだ。













