ダヤン・ビシエド、突然の引退から1週間──“エル・タンケ”が残した温もり
引退するビシエドに大歓声が贈られた(C)産経新聞社
あれから1週間が経つ。ダヤン・ビシエドの「引退」から、である。
中日で9シーズン、DeNAで2シーズンを過ごした“エル・タンケ(戦車)”は、ペナントレースの真っ只中という異例の時期にリタイアを決断。5月24日の朝に各メディアから一斉に情報が出回り、午前中のうちにDeNA球団から正式リリース。午後のヤクルト戦がラストゲームという、非常に慌ただしい1日だった。
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ラストゲームはとてもハートフルなものだった。
ビシエドは試合前のスポンサーによる花束贈呈に登場。この手のイベントは若手の控え野手が担当するのが相場だが、思わぬ“登場人物”に観客席からは驚きと同時に万雷の拍手が送られた。
試合に本当の意味で登場したのは、DeNA1点リードの7回裏。2アウト走者なしでの代打だった。
対峙するヤクルトの右腕・奥川恭伸は、初球からスライダーを3球続ける「勝負モード」。見逃し、空振り、ファウルで迎えた4球目、ビシエドは152キロの高め速球にフルスイングを仕掛けるもバットは空を切った。NPB通算4048打席目は同489個目の三振が記録された。
場内の「ビシエド!」コールを背に受けながら、ベンチに歩みを進める背番号66。まずはライトスタンドの歓声に応えたあと、三塁側にも一礼。全力勝負を挑んだヤクルトバッテリーには笑顔でバットを突き出し、その心意気を讃えた。一塁側のベンチにはチームメイトと首脳陣が並んでおり、一人ひとりと握手。最後に待ち構えた筒香嘉智とはハグを交わした。
ゲームはそのままDeNAがリードを守り、1-0で勝利。ビシエドのラストゲームを白星で飾った。ウイニングボールはしっかりとビシエドの手に渡っていた。試合後はセレモニーの予定こそなかったものの、戸柱恭孝の計らいでお立ち台へ。ファンに別れのメッセージを届け、グラウンドを一周。最後はマウンド付近で6度胴上げされた。
こんなことができたのも勝ったからこそ。ビシエドのために一致団結したベイスターズナインの力強さを感じさせてくれる。
当日から3日後の27日には、球団公式YouTubeで舞台裏動画が配信。試合前のロッカールームでの挨拶から終了後のメッセージまで、12分30秒に凝縮された内容は多くのファンの目頭を熱くさせた。







