NPBでも顕著な投手の「高速化」 深刻な負担増加に“人類最速男”チャップマンが警鐘「身体を限界まで酷使しているからだ」

ダイナミックな投球フォームから剛速球を投げ込むチャップマン。(C)Getty Images
主要球界での投手の球速向上、いわゆる“高速化”が顕著だ。
昨季に「世界最高峰」とされるMLB全体で記録された投手の平均球速は、94.3マイル(約151.7キロ)を記録。これはMLB公式のデータページ『Baseball Savant』が計測を始めた2008年以降で最速であり、過去16年で2.4マイル(約3.9キロ)も上昇した。
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また、NPBでも変化は目立っている。昨季の平均球速はメジャーのそれには及ばないものの、実に146.7キロ。2010年代前半に140キロ台前半だったボールの高速化が明らかになった。
要因はさまざまに考えられる。投手分業制の確立による負担軽減や、映像などのデータ解析が進み、投手のメカニクスが格段に上がったことが主要な理由と言えよう。一方で投手の身体に及ぶ負担は増加しており、米スポーツ専門局『EPSN』は「球速アップを追い求めることが慢性的な負荷を増加させ、怪我の一番の理由」となっているリポートしている。
打者をねじ伏せるための進化が、怪我の原因にもなる。この現状に警鐘を鳴らす関係者は少なくない。現在レッドソックスに所属するアロルディス・チャップマンもそのうちの一人だ。
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