なぜ“ポテンシャルの塊”は目覚めたのか? 批判の嵐にもブレなかったド軍幹部が証言した佐々木朗希との格闘の日々「不安を抱えたこともあった」
自信に溢れ、躍動感のある姿を見せ始めた佐々木(C)Getty Images
ストライク率は脅威の73%。貫いた「攻めの投球」
今、ドジャースの佐々木朗希が面白い。怪我に苦しんだここ数年が別人のように、力強い投球を続けている。
その変貌ぶりは向上した数字が如実に物語る。
【動画】圧巻の投球!佐々木朗希がメジャー移籍後最多10奪三振
メジャー2年目の今季は開幕前のオープン戦で防御率15.58、WHIP2.77、与四球率15.58、被OPS1.043と打ち込まれ、レギュラーシーズンが始まった3、4月も5登板(22.2イニング)で、防御率6.35、WHIP1.81、被打率.301と鳴かず飛ばずの日々を送った。自慢のスプリットは勝負所でど真ん中に抜け、投球の生命線だった4シームは、球速が上がりきらず、制球を気にしすぎるがあまり置きに行った所を痛打された。
まさに八方塞がりの状況だったが、立ちふさがった壁を「より『なぜ自分が良いのか』を、良かった時よりも理解している」という怪物は自らこじ開けた。
周囲では「メジャーでは通用しない」「マイナーに降格させるべき」という異論が渦巻いたが、フィジカルトレーナーのトラビス・スミス氏とマンツーマンで課題だった肉体改造に着手。下半身強化、肩周辺の筋力の安定に成功し、投球にも変化を生んだ。
結果は目に見えて現れた。5月11日のジャイアンツ戦からの5登板(29回1/3)で、防御率2.12、三振率30.1のハイスタッツを記録。与えた四球の数もわずか6とコマンドが良化し、明らかに「投げたいところに投げられる」ようになった。
7回(98球)を投げ切り、被安打2、10奪三振、無失点と好投した現地時間6月5日のエンゼルス戦でも佐々木は違いを生んだ。スプリットと4シームを軸にして空振り率34%を記録した右腕のストライク率は脅威の73%。しかも対戦した25人のうち9人に対してカウント0-2とし、主導権を譲らない、「攻めの投球」を貫いた。
無論、ここまでの進化は、「技術的な変化がほぼ全て」と語る本人の努力の賜物。だが、いかなる批判を受けようとも、「至高の舞台」であるメジャーで調整を続けさせたドジャース首脳陣の胆力もまた小さくない影響を生んだのは間違いない。







