なぜ“ポテンシャルの塊”は目覚めたのか? 批判の嵐にもブレなかったド軍幹部が証言した佐々木朗希との格闘の日々「不安を抱えたこともあった」

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誰もがしてしまった佐々木に対する「不公平な見方」

 ロッテ時代に見せつけていた特大のポテンシャルが、ようやく“メジャー仕様”となって片鱗を見せ始めた。佐々木の才能が形となってきたからこそ、指揮官の喜びもひとしおだ。

 5日のエンゼルス戦後に米スポーツ専門局『Sports Net LA』のインタビューに応じたデーブ・ロバーツ監督は「今日のロウキは日本での映像で目にし、そして我々が獲得を望んでいた姿だ」と強調。獲得から2年目で訪れた“覚醒”について「メジャーへの適応がスムーズにいくのが当然だと思ってしまいがちだが、それは彼に対して不公平な見方だった」と打ち明けている。

「我々には、誰にでも必ず“適応期間”が必要だという理解が足りていなかった。ロウキは、ここに来てから、いくつかの困難な時期を過ごし、不安を抱えたこともあった。しかし、クラブハウスで受けた多くの支えもあって、乗り越えてみせた。彼自身も多くの努力を積み重ねてきたと実感しているはずだよ。今は身体もかなり逞しくなり、球のキレだって本当に素晴らしくなった」

 5年の時を過ごしたロッテで規定投球回に達した経験がないまま、「マイナー契約から這い上がって世界一の選手になれるように」との想いを抱いて海を渡った。しかし、熾烈な競争に加え、公式球への適応、さらには言語や食事、環境などのあらゆる文化に馴染む必要もあった。昨夏には右肩のインピンジメント症候群にもなった24歳にとって多くの苦難があったのは想像に難くない。

 だが、佐々木は地道にトレーニングを積み重ね、確固たる自信を得た。そんな姿に「もはや不安や迷いは一切見られない。投手に自信がないときは打者に見破られてしまうものですが、今の彼にはそれがない」と目を細めるロバーツ監督は、こうも語る。

「ロウキの『フロア(最低基準)』は格段に上がった。彼がマウンドに上がるたびに周囲が抱く期待値は高くなっているが、彼もそれに見合う結果を出しているからね。とくにここ6〜7試合の内容を見れば、パフォーマンスの安定感という意味で、メジャーリーグのどの先発投手にも引けを取らない素晴らしいものがある。私はロウキを本当に誇りに思う。もちろん、彼はもっと上を目指しているはずだし、最低基準が上がったわけだから、ここからはさらに限界を押し上げていくだけだ」

 一時は佐々木に対して、ベンチで厳しく叱咤した時もあったロバーツ監督。誰よりもシビアに怪物を見守ってきたからこそ、何気ない「誇りに思う」という言葉は大きな価値があると言えよう。

 果たして、完全に一皮むけたポテンシャルの塊は、どこまで突き抜けていくのか。佐々木の投球に対する興味は尽きない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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