絶望的な春先から佐々木朗希はなぜ甦った? 「メジャーで通用しない」と断じられた怪物を変えた名脇役との二人三脚の改造計画

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100マイル(約160.9キロ)を超える真っすぐを投じられるようになった佐々木は、かつてのような力勝負を見せるようにもなった(C)Getty Images

 時間はかかった。それでも見た目にも表れ始めた肉体改造の成果は、当人を悩ませていた投球フォームのメカニックにも好影響を生んでいた。

 スミス氏が「一番重要だったのは一貫性。そして何よりも彼自身にパフォーマンス向上に役立っていることを理解させることが、非常に重要だった」という段階的なトレーニングによって筋力が増加。それによってフォームが安定しだしたためだった。投手コーチを務めるマーク・プライアー氏も「ロウキとトラビスは膨大な時間を費やし、身体と筋力の再構築に取り組んできた。その努力が実を結び始めている」と認めている。

 決して大胆な改革を講じたわけではない。あくまでロッテ時代から取り組んでいたフィジカルトレーニングを改良し、己に負荷をかける地道なトレーニングを重ねたに過ぎない。それでも「こんなに一気に上がるとは思っていませんでした」という佐々木の声色は明るいという。

 何よりも佐々木の変化に喜びを隠さないのは、怪物の再建を託されたスミス氏だ。「彼に僕らのプロセスを受け入れてもらって、毎日継続して取り組んでもらうことが重要だった」と振り返る“名わき役”は、こう語っている。

「今、ロウキは確固たる基盤を築いており、それをどう活用すべきかを理解している。もう本来の自分を取り戻しつつあるし、以前よりも少しリラックスしているね」

 一時は4シームの平均球速が96.1マイル(約154.6キロ)にまで落ち込み、力勝負ができずに苦しんだ。しかし、徐々に真っすぐもロッテ時代に異彩を放った当時の力を取り戻し始めている。

 ようやく真価を発揮し始めた佐々木朗希。今、もがき苦しんできた天才が投じる剛速球には、傍らで支えてきた人々の熱き想いも乗っている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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