クリケットとプロ野球の打撃の違い…豪州で人生最多の92得点を叩き出した要因とは

タグ: , 2018/11/29

 木村昇吾です。豪州のメルボルンを拠点にするプレミアリーグのチーム「セントキルダ」でプレーしています。現在、この所属チームと違うリーグのチーム「トゥーラック プラーン」でも試合に出させてもらっています。先日はこのチームで92得点をたたき出しました。この得点はクリケットを初めて10か月経ちますが最多得点です。6得点のノーバウンダリー(野球で言う本塁打)を9回、4得点のバウンダリー(ゴロで境界線を越える)を6回マークするなど1時間以上打ち続けました。後攻でチームの勝利が決まったために打撃がアウトになる前に終わりましたが、続けたら100得点も超えられたと思います。大きな手応えをつかんだ試合でした。

主将のジェレミー(右)と笑顔の木村

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 高得点を出せたのは打撃を長く続けられたことに尽きると思います。以前は難しい球も簡単な球も思いきりガンガン振り切っていたので、豪快な長打があるのと同時にミスショットでアウトになってしまいました。長打もあるけど得点は10~20点台と爆発できません。頭ではわかっていますが、長打に仕留める球と、難しい球をカットする技術の使い分けが非常に難しい。ただ豪州でクリケット漬けの毎日を送り、練習や実戦を続けてようやくこの感覚が身につくようになってきました。

 クリケットと野球は感覚が違います。野球は大事な場面で決勝アーチやタイムリーを打てば、他の打席のアウトはあまりフォーカスされません。クリケットは違います。初球にド派手な長打を打っても、2球目でアウトになったらそこで終わりです。いかに打撃を長く続けられるか。時には難しい球をカットばかりで我慢を強いられますが、この技術もアウトにならないために非常に重要なのです。

 4部リーグでの試合なので手放しでは喜べませんが、1部でプレーした経験豊富な主将のジェレミーにも「良い打撃だった。毎回うちの試合に来てほしい」と言ってもらえました。この打撃をきっかけにして、さらに精度を上げてコンスタントに高得点を出せるようにしたいですね。

[文/構成:ココカラネクスト編集部 平尾類]

木村 昇吾(きむら・しょうご)

1980年4月16日、大阪府生まれの37歳。尽誠学園で3年夏に甲子園出場。愛知学院大に進学し、遊撃手でベストナインを5度獲得するなどリーグ通算打率・318、5本塁打。02年ドラフト11位で横浜に入団。07年オフに広島にトレードされ、11年は遊撃のレギュラーをつかみ、自己最多の106試合出場で37犠打をマーク。15年オフにFA権を行使したが移籍先が難航し、西武にテスト生で入団。昨年限りで戦力外通告を受け、クリケットに転身。インドのプロリーグでの活躍を目指す。あずさ夫人と子供は1男2女。


木村昇吾公式サイト(http://shogokimura.net/)

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