現役選手も認める大谷翔平を「史上最高ではない」と断じる意味は? 米識者の批評に覚える違和感

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投打で異次元の活躍を見せた大谷。そんな歴史的なプレーを批判する声は上がる。(C)Getty Images

 今季も凄まじい活躍のオンパレードだった。二刀流で一大センセーションを巻き起こした大谷翔平(エンゼルス)のそれだ。

 大谷は開幕前から千両役者ぶりを発揮した。初参戦となったWBCでは日本代表の一員として世界一を経験。そして、球界を大きく賑わせた勢いそのままに開幕から投打で異彩を放った。

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 惜しくも8月に右肘側副靭帯を損傷、さらに翌月には右脇腹を痛め、早期離脱を余儀なくされたが、最終的に打ってはア・リーグ最多の44本塁打に加え、打率.304、95打点、OPS1.066。投げては10勝(5敗)、WHIP1.06、奪三振率11.39を記録。近年のMVP選出において肝となる指標である「WAR」も2位に1.6差をつける10.0と、堂々たる成績を残した。

 さらに史上初となる「シーズン2桁勝利&40本塁打以上」「2年連続の2桁勝利&2桁本塁打」も達成。永久不滅と言えるような活躍を見せたわけである。

 それでもなお、彼を批判する声は上がる。米スポーツ専門局『ESPN』や『CBS Sports』でアナリストを務めていた元アストロズのウェス・クレメンツ氏が自身のX(旧ツイッター)で、「私はオオタニが今年のMVPだとは微塵も思わない」と強調。そして、レンジャーズの主砲コーリー・シーガーを推挙している。

 シーガーを称えるのは何ら問題ない。29歳のスラッガーは、負担の大きい遊撃手をこなしながら、打率.327、33本塁打、OPS1.013と目に見える成績を残している。しかし、気になったのはその後の投稿だった。クレメンツ氏はフォロワーからのコメントに反論する形で、次のように綴った。

「オオタニは二刀流の選手であり、別に何でもできる選手ではない。彼は史上最高の打者でも、史上最高の投手でもないんだ」

 いささか暴論ではないだろうか。今季の大谷はメジャーリーグ全体でもトップのWARを記録している。先述のシーズンスタッツを見ても、「史上最高ではない」と断じるのには違和感を覚えずにはいられない。

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