大谷翔平の“衝撃弾”は「ミスの代償だ」。センターへの特大アーチに見る「打者・大谷」を抑える難しさ

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甘い球を巧みに打ち砕いた大谷。そのひと振りは驚くべき一打だった(C)Getty Images

「やっぱり甘い球はセンター方向に打つ。基本的なことですけど、配球に偏りがなくなってきているので、そこがやっぱり大事かなと思います」

 これはかねてから大谷翔平(エンゼルス)が繰り返してきた自身の打撃における理想だ。失投であろうと「打てる」と確信したボールを強引に引っ張ろうとせずに、センターから左方向への長打をどれだけコンスタントに打てるか。これは彼の好不調を推し量るバロメーターのひとつと言える。

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 そういう意味でも現地5月24日に行なわれたレッドソックス戦で放った一発は興味深いものがあった。

 3回裏1死無塁の局面で大谷は2打席に入った。対峙したのは、ジェームズ・パクストン。MLB10年目のベテラン左腕に対して背番号17は、第1打席に外角へのカットボールを振らされ、わずか3球で空振り三振を喫していた。

 だからこそ狙っていたのかもしれない。大谷はカウント0-1から真ん中高めへと抜けた84.4マイル(約135.8キロ)のカットボールを強振。打球速度105.7マイル(約170.1キロ)で左中間方向へと飛んでいった打球は、あっという間に外野フェンスを越えた。

 試合後にレッドソックスの地元局『NESN』の取材に応じ、「今日はキレがなかった。投げたいところに投げられなかったし、ミスを犯した」と語ったパクストン。そんな34歳のベテランが「俺は代償を払ったんだ」と強調した一球が、大谷へのそれだった。

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