虎の育成右腕が衝撃デビュー、実戦初登板でいきなり158kmの火の玉ストレートを披露

工藤の剛腕に球場もどよめいた(C)産経新聞社
プロ野球のキャンプは実戦段階へ移り、各地で練習試合が盛んに行われている。5球団が1位指名で競合した楽天の宗山塁や、ロッテのドラフト1位・西川史礁ら、大卒の即戦力ルーキーが話題を呼んでいるが、異色の経歴を持つ新人が2月16日、阪神のキャンプ地である沖縄・宜野座を沸かせた。
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広島との練習試合の8回、この日6番手として登板したのは育成1位指名の工藤泰成。初球にいきなり度肝を抜いた。末包昇大から内角高めで空振りを奪った一球は、球場のスピードガンで156kmの表示。どよめきの中、右飛に打ち取った2球目はこの日最速158kmだった。
続く仲田侑仁には中前打されたが、二俣翔一は初球の155kmで遊飛。渡辺悠斗は154kmで中飛に仕留めた。わずか6球で1イニングを無失点で切り抜け、投げた直球は全て154km以上だった。
かつて火の玉ストレートと呼ばれた剛速球を武器に名クローザーとして君臨した藤川球児氏が新監督に就任した。その初年度に後継者候補が、育成選手から名乗りを上げた。昨年12月の新入団会見では「息の長い剛腕投手になって、チームに貢献したい」と掲げていた23歳。自己最速は159kmと明かしていたが、早くもそこにあと1kmと迫った。