ボクシング・八重樫東 「らしくない」復帰戦勝利 4階級制覇へ好スタート 「35歳だけど、まだまだ伸びしろある」

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 スーパーフライ級で日本人初の4階級制覇を目指す八重樫東(35=大橋ジム)がインドネシアのフライ級王者フランス・ダムール・パルー(34)と後楽園ホールで対戦し、2回TKO勝利で復帰戦を飾った。

 ダメージは皆無だった。激闘王には珍しく、顔がきれいなままの勝ち名乗り。観衆の大声援を受けた八重樫は安どの表情を浮かべた。「怖くもあり、1ラウンドは色々なことを考えた。こうやって戻ってきて凄く楽しいところだなと。リングに立てるのが幸せです」。

 昨年5月、1回TKО負けしてIBF世界ライトフライ級王座から陥落した。年齢も若くない。限界説もささやかれた。ライトフライ級(体重48.988kg以下)からスーパーフライ級(52.163kg以下)へ3キロ以上の転級。「体作りから変えないといけない。難しい挑戦であることはわかっている。でもそっちの方が面白いじゃないですか」と逆境をモチベーションに変えた。

 この日は1ラウンドから鋭い出足で向かってくる相手に対して冷静に対処。左右のボディーを打ち込み、2ラウンドにダウンを奪うと連打でレフェリーストップ勝ちした。心からの笑顔がないのは目指す頂が高いから。「半分ぐらい帰ってきました。今日は練習したこともできずにこういう結果になった。(動きが)硬かったですね。このような内容では到底勝っていけない。35歳だけどまだまだ伸びしろがあると思い込んでいます」。家族が見守る前での復活劇。限界説を吹き飛ばし、前人未到の記録へ大きな一歩を踏み出した。


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[文/構成:ココカラネクスト編集部]

八重樫 東(やえがし・あきら)

1983年2月25日、岩手県北上市生まれの35歳。拓殖大在籍時に国体でライトフライ級優勝。アマチュア戦績は70戦56勝(15KO)14敗。卒業後に大橋ジムに入門。元WBA世界ミニマム級王者、元WBC世界フライ級王者、元IBF世界ライトフライ級王者と世界3階級制覇を成し遂げる。スーパーフライ級で日本人初の4階級制覇を目指す。身長162センチ。右のボクサーファイター。

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