ブラジル戦前に走った“二つの嫌なフラグ” 塩貝発言と続投報道が示した組織の未熟さ “修行”が必要なのは選手と監督だけではない【W杯総括】
森保監督の続投ニュースが流れるタイミングは早すぎた(C)Getty Images
何が…W杯優勝だ…!!!! おれは!!!! 弱いっ!!!!
ガブリエウ・マルティネッリにゴールマウスを貫かれ、1-2で敗れたあの瞬間、田中碧をはじめ、多くの選手が涙に暮れた。己の無力さを嘆き、打ちひしがれ、たった一つの瞬間における判断が、まるで一生抜けない棘のように刺さっている。
このチームは大会直前、『ONE PIECE』のコラボレーション弾幕とムービーに背中を押されて出発した。
「目の前にはいつも、強敵がいる」「俺たちは、サッカー日本代表の夢を笑わない」
ならば今、夢が潰えた彼らにかける言葉も一つしかない。
泣いたっていいんだ……!! 乗り越えろ!!!
4年に一度しかない舞台。それはワールドカップの残酷さであり、日常でもある。3D4Yを誓い合った仲間と共に、再び4年後へ。いつもそうだった。
あの旗を、ブラジル戦の前に、もう一度見たかった。
事前には口にしたくなかったが、ブラジル戦を前に、嫌なフラグが次々と立っていたからだ。塩貝健人のネイマール発言もその一つ。誇張して伝わった面はあるが、発言自体に相手を侮るニュアンスが含まれていたのは間違いない。
先日『Footballista』で当時ベールスホット所属の原口元気、ポープ・ウィリアム、倍井謙の鼎談記事を構成したが、話の最中、原口は何度も「これ訳されるよ」と冗談交じりにツッコミを入れていた。訳されて相手国に伝わり、炎上するまで、現代は1日かからない。塩貝についても日本メディアの第一報が出た瞬間から、嫌な予感しかなかった。
調子に乗りやがって!!叩き潰してやる!!!
それは感情豊かな彼ら、ブラジル代表のパワーを引き出してしまった。本当は、低評価されている現状や、今ひとつ乗り切れないグループステージ、あるいは昨年2-3で敗れた対戦相手の残像に、多少の不安や焦りを隠せない選手もいたはずだ。しかし、塩貝騒動はそれらの不安を吹き飛ばし、怒りに変えるほど、彼らに火を点けてしまった。そういうムードで一体感を作られたことが痛い。海外でプレーする日本人選手はよく言うが、一般的に海外の選手は感情の高ぶりや爆発によってプレーが驚くほど変わる。それは抑制的な日本人とは異なる個性だ。












