「仕掛けることしか考えてなかった」――国立に集った6万人の心を揺さぶった塩貝健人の“エゴ” 森保監督が「課題」を突きつけた21歳の現在地
カウンターから決定機を生み出そうと仕掛けた塩貝。しかし、味方が見えておらず、シュートシーンまで持ち込めなかった(C)Getty Images
指揮官が求めた「トドメの1点」
[キリンカップ決勝]日本 2-1ニュージーランド/10月5日/国立競技場
背番号26がベンチからピッチに駆け出した瞬間、6万1812人が詰めかけた国立競技場が「ウオォー」と地響きのような声とともに沸き立った。
塩貝健人(ヴォルフスブルク)が上田綺世との交代でピッチに送り出されたのは、チームが2-1とリードした78分。アディショナルタイム(3分)を含めれば、残り時間たった15分という限定的な起用である。ゴールに飢える21歳としては物足りなさを感じたかもしれない。
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試合後の会見で森保一監督が明かした起用の意図はこうだ。
「我々はリードしていて、相手もより前がかりになっていたので、健人の持っている推進力、馬力を生かしてカウンター攻撃を仕掛けていくことを考えていた。失点はこれ以上しないようにということ、そして最後、トドメの得点を狙って彼を起用しました」
ゲーム終盤で1点差であったため、普段以上に失点のリスクをケアしながらという「条件」は付随した。その上で、森保監督が塩貝に求めたのは得点、あるいは相手の虚をつく攻撃の演出だった。
実際、当人は、がむしゃらに指揮官の“求め”に応じようとしていた。それはプレーに表れていた。85分には、自陣からのカウンターで持ち出し、敵陣へとドリブル突破。2-3というシチュエーションを生み出したが、左サイドをフリーで駆け出していた中村敬斗にパスは出さず。結局、帰陣した相手DFにボールを絡めとられ、シュートシーンにすら持ち込めなかった。
試合後に「サポートがないなと思って行こうとした」「仕掛けることしか考えてなかった」と振り返った塩貝からすれば、「ここは俺が決める」という本能が出た場面だったのだろう。それはいかなる局面においても前線でしゃにむに仕掛ける塩貝の良さでもある。しかし、客観的に見れば、「トドメの得点」を取る機会を喪失させた独善的なドリブル突破だった。
だからこそ、指揮官の評価は少々シビアだった。「健人の体格はそこまで大きくないですけど、非常にバネもあって競り合う強さを持っている。ガムシャラさであったり、個でグイグイ行くところは彼の良さ」と評価を下しつつも、こう注文をつけている。













