「仕掛けることしか考えてなかった」――国立に集った6万人の心を揺さぶった塩貝健人の“エゴ” 森保監督が「課題」を突きつけた21歳の現在地
先の北中米ワールドカップでも塩貝を招集し、期待を寄せ続ける森保監督(C)Getty Images
「オフ・ザ・ボール時の情報収集がもっとできれば…」
「今日はひょっとしたら3-1にできる局面だったかもしれない。そして、あのカウンターの場面では相手を引きつけてラストパスを出していればという部分で、ボールがない時に自分がどういう状況にいるのか、相手がどこからプレッシャーを掛けてきているのか、どこにスペースがあるのかなど、オフ・ザ・ボール時の情報収集がもっとできれば、彼の良さはさらに生きてくるかなと思います」
振り返ってみれば、今回の代表シリーズでの塩貝は、9月24日に行われたウルグアイ戦で代表初ゴールをマーク。劇的な勝ち越し弾で勝利の立役者となり、一定の存在感は示した。一方でニュージーランド戦でのプレーに象徴されるようにフリーの味方を活かせずにチャンスをふいにする場面も少なくなかった。当然、そうしたプレーにはSNS上で「エゴを出しすぎ」「今のままだとエゴが弱点になる」といった厳しい意見が散見された。
無論、結果が求められるプロとして改善すべきである。ただ、思うところもある。
エゴを出しすぎ? 上等じゃないか。
あそこまで個で局面を変えようとするFWは、かつて「得点力不足」が嘆かれた日本サッカー界ではいまだ稀有。絶対的エースとして君臨する上田にもない“ストロングポイント”だと言えよう。それに「何かをやってくれるのではないか」と思わせるからこそ、6万人を超える観衆が沸き立つわけである。
あとは「独善的」に見えたエゴをどう洗練させていくか。ハッキリ言えば、上田との差はあり、代表における現在地は安泰とは言い難い。それでも、だ。「あそこで1点取っていかないと(代表に)残れないと思うので、もっともっと結果にこだわっていきたい」と前を向く21歳が、ドイツを舞台に揉まれる中で、どう変貌を遂げ、何を代表に還元していくのか。この代表戦で“課題”が積み重なったからこそ、ますますこの先が楽しみになった。
[取材・文/羽澄凜太郎]
【関連記事】上田綺世の好調は吉兆だが…アジア杯へ残る課題 「引かれた相手」を打ち破る“第二の得点源”は誰になるのか
【関連記事】「このままでは研究され尽くす」エクアドル戦で浮き彫りになった森保ジャパンの攻撃停滞 “上田・伊東依存”の現状を変える術はあるのか
【関連記事】日本撃破で兵役義務の免除を喜んだ韓国イレブンに批判殺到! 主将の「これで軍隊には行かない」発言が波紋 母国内で特例排除の議論も噴出「軽率な言動は看過できない」













