マラドーナの「神の手」、そして若きベッカムの「愚行」 サッカー史に残る騒動が尽きないアルゼンチンとイングランドの“因縁対戦録”【W杯】
マラドーナの神の手、そして青年ベッカムの退場……サッカー史に残る様々な名場面によってアルゼンチンとイングランドの対戦は彩られている(C)Getty Images
因縁のマッチアップが決勝進出を懸けた大舞台で実現した。
現地時間7月11日に行われた北中米ワールドカップ(W杯)の準々決勝で、スイス代表と対戦したアルゼンチンは延長戦の末に3-1で勝利。2大会連続で勝ち進んだベスト4でイングランド代表とのビッグマッチが決まった。
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112分に生まれたフリアン・アルバレスの鮮やかなミドルシュートによるゴールで勝ち越したアルゼンチン。72分に退場者を出して10人となったスイスの堅い守備を前に苦戦を強いられたが、3試合連続での延長120分を最後は気力で押し切った。
またもドラマチックな勝利で生き残った“世界王者”が次に対戦するのは、何かと因縁深いイングランド代表だ。フォークランドの領有をめぐって同地で兵火も交えた両国は、政治的対立が続き、特にファンはサッカーにおいても敵対ムードが漂っている。
1951年5月に“聖地”ウェンブリースタジアムで初めて対戦して以来、過去の国際Aマッチにおける対戦は、通算13戦3勝6敗4分けとアルゼンチンは負け越している。ただ、アルゼンチンが挙げた3勝はいずれもドラマチックで、印象深い展開が多い。
アルゼンチンが“公式戦”で初勝利を飾ったのは、1964年にブラジルのリオデジャネイロにあるマラカナンスタジアムで行われたネーションズカップでの一戦だった。ジミー・グリーブスらスターを擁したイングランドの猛攻を耐えしのいだアルゼンチンが、名手アルフレッド・ロハスの挙げた虎の子の一点を守り抜いて1-0で制した。
2度目の勝利は、初勝利から22年後に行われたメキシコW杯の準々決勝での対戦。この時は、アルゼンチンが、51分に伝説的名手ディエゴ・マラドーナによる「神の手」ゴールで先制。さらに3分後には「5人抜きゴール」で加点して2-1で勝利。フォークランド紛争が勃発して間もないタイミングだったこともあり、世界制覇に弾みをつける一戦となった。
そして、3度目の勝利は1998年のフランスW杯の決勝トーナメント1回戦で実現したマッチアップだ。小競り合いの中でアルゼンチンのディエゴ・シメオネを蹴りつける“蛮行”を犯した当時23歳のデビッド・ベッカムが退場となったこの一戦では、2-2で迎えたPK戦を競り勝っていた。なお、この試合で敗れたイングランド国内では、「10人の獅子と1人の愚かな若者」と若き貴公子ベッカムへのバッシングが一種の社会現象ともなった。












