高血圧の食事、何から変える?健診で血圧が高めと言われた方へ【栄養士監修】
飽和脂肪酸とコレステロールの摂りすぎを防ぐ
高血圧が進んで動脈硬化になると、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などになりやすくなります(※1)。そのため、動脈硬化を防ぐ視点から、脂質の摂り方も見直しておきたいところです。
特に気をつけたいのが、肉や乳製品の脂質に含まれる飽和脂肪酸です。脂質異常症の食事では、適正なエネルギー量のもとで飽和脂肪酸を控えると、動脈硬化性疾患の発症リスクが下がるとされています(※5)。高血圧治療ガイドライン2019でも、飽和脂肪酸と食事性コレステロールは控えめに、多価不飽和脂肪酸は積極的に摂ることが勧められています(※6)。
飽和脂肪酸の目標量は、総エネルギーの7%以下です。たとえば1日の目標摂取カロリーが2,750kcalの場合、約190kcal以下で、脂質1gは約9kcalなので、飽和脂肪酸は1日約21g以下が目安になります。2,050kcalの場合は約140kcal以下となるので、1日約16g以下になります。
2,750kcalは30〜49歳男性、2,050kcalは30〜49歳女性で、いずれも身体活動レベルが普通の場合の推定エネルギー必要量です。
この目標量は、生活習慣病の予防のために目指したい値ですので、少しずつ近づけていくように取り組みましょう。
飽和脂肪酸は「脂質」の種類ですので、食事全体で見たときには脂質の多い食品を控え目にすることが大切です。
肉・魚・大豆製品をバランスよく
毎日の食事では、肉は脂身の少ない赤身を選び、バターや生クリームは使う量を決めておくと減らしやすくなります(※5)。
卵や、肉・魚の内臓はコレステロールを含むので、食べる頻度が多すぎないかを振り返ってみてください(※5)。
ただ、肉や卵をなくす必要はありません。主菜を肉・魚・大豆製品で順番に回し、青魚の日や豆腐・納豆の日をつくれば、バランスがとりやすくなります(※5)。
食事を記録すると、食塩・食べすぎ・野菜不足のくせが見える
減塩や野菜を足す工夫を続けるには、いまの食事を知ることが出発点です。食事を記録すると、いつ、どんなときに、どのようなものを食べたかがわかり、課題や改善点を「見える化」できます(※7)。
麺類の汁を飲み干す日が多い、野菜が少ない食事が続いている、夜に間食が増えた・・・など、記録してみると、こうした自分のくせが見つかることがあります。
食事の記録は、写真を撮っておいたり、手帳やノートにメモしておくなどご自身のやりやすい方法を試してみるとよいです。「あすけん」などの食事管理アプリもそのひとつで、食べたものを記録すると食塩相当量などの栄養バランスを確認できます。家庭で測った血圧とあわせて見ると、食事と血圧の関係を振り返る材料にもなります(※1)。
高血圧の食事は、できるところからひとつずつ変える
血圧が高めと言われても、高血圧の食事を一度にすべて変える必要はありません。まずは朝・昼・夕のどこかで食塩を減らしたり、毎食に野菜をひと品足してみたりと、できそうなことから始めてみましょう。記録をつければ、続けた変化もさらに振り返りやすくなりますよ。
FAQ(よくある質問)
Q.お酒は血圧に関係しますか?
A.関係します。高血圧では、少量の飲酒でも飲酒自体が発症リスクを上げると報告されています(※3)。飲酒習慣のある男性の高血圧患者で飲酒量を約80%減らしたところ、1〜2週間で血圧が下がったという報告もあるため(※6)、まずは量を減らす、飲まない日をつくるといった方法がおすすめです。
Q.食事を変えれば、薬なしで血圧は下がりますか?
A.血圧の下がり方には個人差があり、薬が不要になるかどうかも血圧の高さなどで変わります。食塩を1g/日減らすと、収縮期血圧は約1mmHg強下がると期待されています(※6)。変化が出るまでの期間にも個人差があるため、家庭で血圧を測り、食事を見直す前後の数値を比べてみるのもひとつの方法です。
免責表記
この記事は一般的な栄養情報であり、個別の診断・治療・医療アドバイスではありません。健診で再検査や受診を勧められた方、治療中や降圧薬を服用中の方は、担当医の指示を優先してください。気になる症状があるときは、早めに医療機関に相談してください。
参考・参照
※1
e-ヘルスネット 高血圧〈https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic/m-05-003.html〉(最終閲覧日:2026/10/28)
※2
厚生労働省 令和6年国民健康・栄養調査結果の概要〈https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001603146.pdf〉(最終閲覧日:2026/10/28)
※3
e-ヘルスネット 栄養・食生活と高血圧〈https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-02-002.html〉(最終閲覧日:2026/10/28)
※4
文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
※5
e-ヘルスネット 脂質異常症の食事〈https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-02-012.html〉(最終閲覧日:2026/10/28)
※6
厚生労働省 日本人の食事摂取基準 生活習慣病とエネルギー・栄養素との関連(高血圧と食事の関連)
※7
e-ヘルスネット 肥満・メタボリックシンドローム予防の食事〈https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-02-009.html〉(最終閲覧日:2026/10/28)
監修 多田 綾子(栄養士)
化粧品ブランドに14年間勤務後、からだの内側からも美容や健康をサポートしたいという思いから栄養士の資格を取得。現在はあすけん栄養士としてコラム執筆やオンライン栄養カウンセリングを担当。
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[文:あすけんmore編集部 公開日:2026.10.28]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
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